日本円と各国通貨との円安・円高を確認しましょう

リーマンショック後の株式、商品・金、債券(金利)の値動きは大幅でした。
各国の株価と金の変動を円換算でみてまいりましたが、為替レートで主要な通貨をリーマンショックが発生した2008年9月の末日と、2011年6月30日を致しました、
上表で解ることは、変動率の大きさです。米国ドルは、21ヶ月間で円に対して21.1%も減価しています。比較はコスト値きですので、米ドル建ての商品に投資した際には、22%以上値上がりしていなければ、利益が出ません。
従いまして、2008年9月30日から前月末まで米国債券を保有している方は、損失を抱えています。ユーロも同程度の減価率で20.6%の下落です。

ポンドはもっと悲惨です、約20.5%も減価してしまいました。アジアの雄香港ドルも同様に29%の下落です。

一方、オーストラリアドルは、この間で約6.8%増価しましたので、もし、豪ドル債を保有していれば、円安の為替損益と金利分の合算で利益を得たことに為ります(コストは考慮していません)。

このように、為替変動の大きさは、感覚的な予想よりも大きなものと為ります。
グラフでその大きさをご確認ください。
FX取引を行っている方は良く知っていらっしゃると思います。
例えば、2008年9月30日に、レバレッジ10倍でドルを売っておいて、先月末に買い戻した場合には、元手に対して約2倍の収益が上がりました。

ただし、リーマンショック後の9月30日に、各国の通貨がこのような推移をたどると予想出来た方は少ないのではないでしょうか。

また、債券を購入する際には、金利が高いから儲かるとは限りません。償還時には円に換えるのですから、為替の動向次第で損失が出てしまいます。米ドルやユーロでさえ、このように大きな為替変動リストを抱えています。

ましてや、新興国通貨の変動は一層大きくなります。そして、高金利国は通常インフレ率も高く為ります。為替は原則的には購買力平価に沿うとされていますので、デフレ懸念があり、低金利国の通貨である円は当該通貨に対して円高に為ることが予想されます。

文責
ファイナンシャル・プランナー
&投資アドバイザー　吉 野　充 巨

『このコラム又は回答は、投資判断の参考となります情報の提供を目的としたものであり、有価証券の取引その他の取引の勧誘を目的としたものではありません。
投資による損益はすべてご相談者及び読者ご自身に帰属いたします。
投資にあたりましては正規の目論見書、説明書等をご覧いただいたうえで、読者ご自身での最終的なご判断をお願いいたします。
本コラムは、信頼できると判断した情報に基づき筆者が作成していますが、その情報の正確性若しくは信頼性について保証するものではありません。』