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吉野 充巨
オフィスマイエフ・ピー 代表
東京都
ファイナンシャルプランナー

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対象:お金と資産の運用

柴垣 和哉
(ファイナンシャルプランナー)

閲覧数順 2024年04月19日更新

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日本国債の行方は価格の低下=金利の上昇に繋がります

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昨日に引き続き、日本国債の行く絵について考えてみました。

国内の金利が上昇すると、日本国債を買うための外資の円買いにより、とりあえずは円高になります。ただ、長期的には為替は購買力平価に沿って変化するので、「国内の金利上昇≒インフレ率の上昇」により将来的には円の価値は低下致します。

円安に為るとどのようになるのかが気になります。このケースの場合には、経済的な発展=需要の拡大によりインフレが発生するのではないため、輸入品の価格が上がりコスト面でも企業は不利な立場に追いやられます。コスト改善のためのリストラの進展がますます進むのではないでしょうか。

また、生産性が向上するわけでもありませんので、円安=輸出拡大に繋がるかも疑問です。

現在、日本の金融機関の国債保有残高は、昨日のコラムに示しました通り、銀行では資産の2割、生保では資産の4割が国債です。

新発国債の金利が上がりますと、連動して既存国債の価格が下がります。何故ならば、国債だけでなく債券は日々取引が行われており、その場合の価格は、新発国債の金利が得られる価格まで低下するからです。金利の上昇が急であれば、国債の暴落につながります。

現在の会計基準では、資産は時価で評価することが決められていますので、決算期には資産の評価替えが行われ、資産が縮小します。近債の評価損の為、各金融機関で大きな赤字になります。そのため、多くの金融機関は、新規貸出しが出来ず、むしろ貸し剥がしが再発することが予想されます。

つまり国債の発行をこれ以上野放図に続ければ金融システムの混乱が始まります。

このような事態を避けるには、IMFのサジェストにも在るように、財政規律の立て直し、財政改革と増税に政権のかじ取りが行われるのではないかと考えています。
この姿は、現在のギリシャの姿とオーバーラップしますが、ギリシャは他のEU加盟国の支援が見込めます。日本は、あまりにも大きな経済であり、支援してくれる国はなさそうです。IMFでもパワーが小さいと思います。

従って、インフレの進行と財政再建のための、社会保障改革、公務員のリストラを含む改革、そして増税の時代が予想されます。
極めて悲観的なシナリオですが、発生確率は極めて高いものと思われます。

セミナーやご相談は根拠の明示及び実証データをもとにご説明します。

毎月資産運用・ライフプランのセミナーを開催しています。
http://www.officemyfp.com/seminerannai.htm

文責
ファイナンシャル・プランナー:日本FP協会認定CFPR
独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザー 
吉 野 充 巨

『このコラム又は回答は、投資判断の参考となります情報の提供を目的としたものであり、有価証券の取引その他の取引の勧誘を目的としたものではありません。
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