- 鈴木 克彦
- 株式会社マクス 代表取締役
- 建築家
対象:住宅設計・構造
すごく高級な設備の家でも、
アイデア満載の間取りの家でも、
「健康」に暮らせなくればなんの意味もないことは言うまでもありません。
「健康住宅」という言葉は、住宅業界で一人歩きしていますが、その定義は非常に曖昧です。
分かりやすい、一つの指針としては、「F☆☆☆☆」と言うのがあります。
F☆☆☆☆(Fフォースター)は、JIS工場で生産されるJIS製品に表示することが義務づけられている、ホルムアルデヒド等級の最上位規格を示すマークです。
2003年3月21日の壁紙の日本工業規格(JIS)改正によって、ホルムアルデヒドの放散量の性能区分を表すために新たに表示することが決められました。
つまり、ホルマリンの発散量が一番少ない、と言うことで、このマークの建材を使っていれば安全と言うことになります…。
って、いえいえ、果たして本当にそうでしょうか?
実際には、現在流通しているほぼ全ての建材がF☆☆☆☆と言っていいほどになりました。
しかしながら、このF☆☆☆☆のみで家を建てても、引き渡し前に家を閉め切っておけば、目はショオショボするし、嫌な臭いがすることは、建築に携わる者は誰でも知っています。
そして、全ての人ではないのですが、未だにそう言った環境下で、シックハウスになる人も、後を絶たない訳です。
これでは、「家」の意味がないです。
家は、健康に暮らせなければ、家ではないのです。