事業承継と議決権制限種類株式 - 事業再生と承継・M&A全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
弁護士

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渕本 吉貴
渕本 吉貴
(起業・資金調達・事業再生コンサルタント)
村田 英幸
(弁護士)

閲覧数順 2017年10月18日更新

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事業承継と議決権制限種類株式

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4 議決権制限種類株式

(1)概要

 株主総会において議決権を行使することができる事項について制限のある種類の株式をいいます(会社法108条1項3号)。制限は,すべての事項について議決権がないとすることも,一定の事項についてのみ議決権がないとすることもできます。

ただし,ある事項について議決権を行使できるか否かという形で規定されなければならず,後述する属人的種類株式のように,1株につき複数議決権を与えるようなことはできません。

旧商法では,発行済株式総数の2分の1までという発行制限がありましたが,会社法の下では,株式の発行自体は制限されず,公開会社である場合には,議決権制限株式の数が発行済株式総数の2分の1を超えるに至ったときは,直ちに,議決権制限株式の数を発行済株式総数の2分の1以下にするための必要な措置をとらなければならないとされます(会社法115条)。会社法の下では,発行済株式総数の2分の1を超えた議決権制限株式の発行も,直ちに無効とはなりません。しかし,会社が正当な事由もないのに2分の1以下にするための必要な措置をとらなかった場合,当該議決権制限株式の議決権制限が無効になると解する有力な見解があります(江頭憲治郎『株式会社法 第3版』144頁)。

 

(2)事業承継との関係

 相続によって議決権が分散することによって,後継者が株式の議決権の過半数を保有することができなくなります。そこで,後継者以外に相続させる株式を議決権制限株式とすれば,議決権が分散することはありません。また,後継者以外の相続人の遺留分を侵害しないよう配慮することができます。つまり,議決権のある株式や事業用資産を後継者に集中させる一方,議決権制限株式を財産として後継者以外の相続人に分配することができます。ただし,一般的に議決権制限株式は普通株式に比べて相対的に低く評価される可能性が高いゆえ,後継者以外の相続人には議決権制限株式を多く取得させる必要があります。

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