手足化する日本人の人材価値 - 地域活性化・町おこし - 専門家プロファイル

井門 隆夫
株式会社井門観光研究所 代表取締役
東京都
マーケティングプランナー

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手足化する日本人の人材価値

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現代のCS(顧客満足)とは?

CS(顧客満足)という言葉が少し意味が変わりかけているように感じます。この言葉が流行したのは、今から10年以上前。そろそろ当時の意味合いとしては役割を終えたか、という気がしています。

もちろん、CS№1と輝かしいメダルマークを表示し宣伝する企業もまだまだあります。ただ、それは、通信会社であったり、ビジネスホテルであったり・・・。その「CS」は、人的サービスによるCSではなく、通信速度や客室の快適性。あくまで「コモディティ(物質)」満足度。つまり、ホスピタリティが重要と叫ばれた時代は、日本では過去のことになってしまった気がするのです。

一方、サービス現場は、益々人件費の変動化が進み、従業員は契約社員や派遣社員・パート・アルバイトに取って代わり、正社員は管理するのが仕事に。マニュアルが整備され、標準化されたオペレーションが、「格安」で勝負するための切り札になっています。

旅館でも正社員が減っている

日本のおもてなしを体現する貴重な業態である旅館でも、正社員を使わない企業ほど営業利益率が高いとか。人材は満足度を高める上で必要なくなってしまったのでしょうか。

大手製造業や大規模小売業では、新入社員の外国人割合を年々高め、過半数を外国人とする企業も生まれています。そのせいもあり、新卒の就職率は下がる一方。大学を見れば、どの大学でも成績優秀者は留学生・・・。

日本人の若者は、単年雇用の歯車として社会の底辺で生きていくしかないのでしょうか!

人材の価値を高めるための業種として

TPP論議が盛んですが、今後最も日本に影響を及ぼすのは、人材問題になるのは間違いありません。旅館の現場でも外国人の方が優れたおもてなしを提供できると言われる日も遠くないような気がします。

日本人も英語武装して、国際経済に活路を見出す必要もあるでしょう。しかし、それはごく一部の優秀な層。多くの人材は「手足化」するしか、目の前の道はないように思えるのです。

残念ながら、ナレッジワークで生きていけるのはごく一握り。多くの場合、いかに人の手足となれるかが、日本人の人材価値になってきてしまっています。

全国各地にある旅館業。ある意味で日々担当者もマネジメントを考えなくてはいけないベンチャー企業です。旅館業にいったん入社し、マネジメントを実体験。手足化していた人材が一人前に育っていく。そんな業種(マネージャー養成学校)となることを目指せればと願っています。

(トラベルニュース1月25日号)


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