- 吉野 充巨
- オフィスマイエフ・ピー 代表
- 東京都
- ファイナンシャルプランナー
対象:お金と資産の運用
このところ、国内株式の不調と国内の景気停滞感から、新聞の広告に証券会社や銀行等の金融機関から海外債券の発売が掲載されています。また、国内でもリスク回避の観点から国債の消化は依然として順調です。
よく、債券は確実資産と言われることが多いのですが、債券の種類や価格の構成とリスクについて、正しく把握してご購入されるようお勧めします。
しかしながら、債券の価格も急騰と急落があります。
株式は東京証券所などで売買され、それが報道されますから、価格の上下動は十分に認知されています。実は同じように債券も日々売買が行われ、日常的に価格が上下しています。その結果は、金利として報道されています。そして金利が上がる(=債券の価格が下がる)、金利が下がる(=債券価格が上がる)という関係で債券の価格も騰落しています。
では、金利がどの程度上がると、価格はどのくらいになるのかを試算してみましょう。
ここに、償還期限10年、利率1.%、額面100円で発行されたものを購入した場合、
償還まで保有すれば、額面100円が戻り、通年での利子は税前で1.5円×10年の15円が得られます。
ところが、3年後に日本国債の需要の減少や景気の動向などにより、金利2.5%にしないと販売できない状態になったとします。この場合新しく発行する10年国債は金利2.5%、額面100円で発行されます。この状態で従前に持っている国債残7年を売却すると幾らだったら売れるのかが、試算出来ます。
このままであれば、7年間の利子は10,5円です、しかしながら新しい国債を購入すると、7年間で利子が17.5円入るのですから、少なくともこの利子分に相当する分が入らなければ、買い手がいません。
考え方として、差額の7円分に相当する分 販売価格を下げなければ、売却は出来ません。
感覚的には、100円から7円引いた93円で販売すれば良いのではと考えるのですが、
投下資本に対する利率が同等になる価格ですので、最終利回りが2.5%に為らなければなりません。これを式にすると
2.5%={1.5+(100円-買付価格)÷7年}÷買付価格×100 になり
この式を計算しますと、約94円になります。
売却するには6%近い値下げが必要になります。
もし、利率が3.5%になった場合には、約88.7円で11.3%も下がります。
文責
ファイナンシャル・プランナー
独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザー 吉 野 充 巨
『このコラム又は回答は、投資判断の参考となります情報の提供を目的としたものであり、有価証券の取引その他の取引の勧誘を目的としたものではありません。
投資による損益はすべてご相談者及び読者ご自身に帰属いたします。
投資にあたりましては正規の目論見書、説明書等をご覧いただいたうえで、読者ご自身での最終的なご判断をお願いいたします。
本コラムは、信頼できると判断した情報に基づき筆者が作成していますが、その情報の正確性若しくは信頼性について保証するものではありません。』
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