- 小坂 淳
- 株式会社環
- 東京都
- ウェブ解析士マスター
対象:Webマーケティング
- 森 美明
- (Webデザイナー)
- 和久井 海十
- (ITコンサルタント)
環の小坂です。
2011年を振り返る(http://profile.ne.jp/w/c-64432/)というテーマで
昨年末コラムを書きましたが、2012年の予測について書きたいと思います。
2010年・2011年とSNSの普及とスマフォのシェア拡大という流れがありました。
そろそろ頭打ちになると思いますが、SNSとスマフォの二つは新しい事象ではなく、
過去に高速回線やgoogleがそうであったように、「前提」になると思います。
限られた時間に限られた場所で情報を探す時代から
いつでもどこでも情報が飛び込んできて、その中から必要な情報を探すという時代への
変化が加速し、ますます「情報が人を探す」時代になるでしょう。
そういった中で、2011年の後半に見られた傾向も元に2012年を予測します。
1.SNSの融合と役割分担が進む
2011年は地震の時にtwitterが活躍し、その後映画も景気にfacebookが躍進しましたが、
日本語対応されたlinkdinやgoogle+などもシェアを伸ばしてくると予想されます。
同じようなことは以前もありました。
国産SNSであるmixiとgreeがしのぎを削っていたころです。
ゲーム路線に行ってしまった感はありますが、周囲の人が何を使っているかなどにより
選択した人も多いと思います。
しかし、今回のSNS海外勢の浸透はそれまでとは異なります。
googleの様々なアプリケーションと連動しているgoogle+が代表例ですが、
ウェブやアプリ等を通して連結度合いが強いので、否応なしに使わざるを得ないケースが出てくるからです。
そうはいっても、限られている時間ですし、吸収できる情報量も限られてきます。
その中で、目的や状況に応じてSNSを使い分けるようになるのが今年のトレンドだと思います。
・facebookはビジネスや友人とのつながり・情報共有だけでなく、メールに変わる連絡手段として広がっていくと思います。
信頼できる情報やビジネス・学校等の情報もここで集めるでしょう。
名刺代わりになると思います。
情報を発信する人よりも受信専門の人が増えるかもしれませんが、昔はyahoo、今はgoogleをPC立ち上げ時に
開くのに代わって、facebookをまず見るという人が増えると思います。
・twitterは情報受信もそうですが、日々のつぶやきを発信する用途として拡大するでしょう。
個人的な感想では、twitterは発信だけしていて、あまり読んでいない人も多いと思います。
見てくれればいいというレベルですし、ある意味自己満足(自分の情報蓄積含む)が増えると思います。
お気に入りのサービス(飲食店等)の情報を得たいという場合はtwitterは個人情報をさらさなくてもいい分便利です。
・linkdinが今年は拡大すると思います。
特に海外とのやり取りやビジネスに特化したやり取りには向いているので、
facebookを個人利用に限定したい人がそのようになると思います。
ただ、まだ日本語になじまないデザイン・レイアウト・機能のように感じるので、
twitter等に比べるとゆるやかな情報になるでしょう。
・google+は他のgoogleの機能(特にgmail)との連動が気味が悪い(個人情報の観点から)というのがありますが、
いつのまにか使っているという人は増えると思いますし、googleのサービスを使用している人なら
ログインを一々しなくていいということもあります。
個人的には日本ではあまり流行らないような気がしています。
(自分の情報はいいとしても、他人の情報を教えるような感じがして、個人的には警戒感があります。)
PCだけではなく、スマフォやガラケーでの利用も多いことを考えると、
便利なアプリがどれだけ普及するかによると思いますが、その点ではtwitterやfacebookが強いでしょう。
ただ、未だにいずれも使っていない人は多く、検索エンジン並みに普及するにはまだまだ時間がかかると思います。
2.閲覧環境の進化
閲覧環境については二つの流れがあります。
1つは端末の変化、もう一つはブラウザの変化です。
先にブラウザの変化ですが、先月マイクロソフトがinternet explorerの自動アップデートを行うと発表しました。
米国等から先行し、日本でも2012年中にはおそらく行われます。
今までinternet explorerのバージョン6が残っていることで色々課題がありました。
セキュリティ面もそうですし、新しい表現の使用にも制限があります。
HTML5+CSS3というのが機能面・表現面・スピード面等でいい開発方法だと思いますが、
残念ながらIEの6~8では対応できないので、そこをどう回避するかは制作会社の力量の見せどころです。
(弊社でも対応していく予定です。)
もう1つの端末ですが、スマートフォンやタブレット端末の普及が進むことは間違いないですが、
メインがPCであることも間違いありません。
ただ、WINDOWS8は大きく変わりそうなので、それによってはページの作り方が大きく変わるでしょう。
HTML5の普及については2年以上前から弊社内でも話が出ていますし、世間でも取り上げられていますが、
OSのバージョンアップやIEのバージョンアップを追い風に、今年は進むと思います。
サイトをリニューアルす際は
・HTML5+CSS3への対応
・スマフォへの対応
・SNSとの連動
の3つは避けて通れないでしょう。
スマフォは専用サイトを作るだけで問い合わせが数倍になるというケースも出ているので、
スマフォの特性を活かしたサイト作成が今年は進むと思います。
3.検索の変化
先に書いたように、SNSの普及も検索エンジンのあり方に変化を与えますし、
以前コラムで取り上げたように、検索エンジンのアルゴリズムの変化も大きな影響を与えます。
今後の変化として重要視しているのが、関連フレーズの動向です。
googleで検索すると、関連フレーズがプルダウンで出てきますよね。
この現象により、この関連フレーズので検索が増えてきます。
ここへの対策というのが重要です。
より細かい情報にダイレクトにアクセスできるので、
各ページの作り込みやSEOの手法も変わってきます。
また、ウェブ解析を実施する時も、検索フレーズの動向を見るだけではなく、
「スペース」で分解した検索キーワードで分析することの重要性が高まります。
(この機能は実装していないアクセス解析ツールもありますが、
エクセル等で加工は可能です。
弊社のシビラ(http://www.sibulla.com/)は対応しています。)
では、どのようなSEOが必要かというと、
良質なコンテンツを適切なボリュームで適切な頻度で配信することです。
そして、それらをSNSと連動させ、拡散させることで、
サイトの価値が上がっていきます。
もちろん外部リンクも良質な外部リンクであれば有効ではありますし、
ドメインの力もありますが、よりコンテンツ重視になった昨年の流れは今年も続くでしょう。
4.表現の変化
スマフォやタブレットPCで指でのタッチが増えましたが、
WINDOWS8でもそのようになるという噂があります。
なので、電話番号やリンクなどの適切なマークアップは重要です。
また、FLASH非対応の端末が増え、HTML5やjavascriptの機能が
有効に使える端末が増えるということを考えると、
コーディングも変わってきます。
動作環境等の影響もありますが、コンテンツ重視と並んで、
コーディング重視、そこでは文字情報や画像を更新しやすく軽く配信する
ということが求められます。
5.ウェブ解析の変化
ここまでにいくつか書いた中にもウェブ解析に影響することがありますが、
それ以外にもいくつか流れがあります。
組織名をベースにしたミクロ分析やSNS・リアルと連動した解析、
日々変わっていくIT環境に合わせた変化のモニタリング、
間接効果測定(アトリビューション分析等)など
様々な要素が加わってきます。
これらを見ると、非常に複雑に感じますが、ポイントは1つです。
ビジネスのKGIは何なのか?それに対するKSF・KPIは何なのか?
そのためにはどのように解析していけばいいのか?ということです。
ウェブ解析士の講座・試験(http://www.web-mining.jp/)でもこの辺は取り上げますが、
広告代理店やウェブマーケティング会社だけではなく、
一般企業内でウェブや販促・営業に関わっている人にとってもウェブ解析の重要性が増します。
ウェブ解析はウェブを改善するためだけに役立つのではなく、ビジネスの発展や
営業活動のヒントにもなるからです。
こういったところがウェブに関する私の予測です。
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