- 小坂 淳
- 株式会社環
- 東京都
- ウェブ解析士マスター
対象:Webマーケティング
- 森 美明
- (Webデザイナー)
- 和久井 海十
- (ITコンサルタント)
環の小坂です。
2011年を振り返ります。
2011年は3月11日の東日本大震災により地震・津波・原発事故が起き、
莫大な被害が出ました。
この影響は大きく、仕事にも色々な意味で大きな変化が出た年です。
私もそれ以前とはかなり働き方は変わりました。
どちらかというとポジティブには変わっていないように反省をしていますが、
ウェブ業界もいくつか大きな動きがありましたね。
0)業界の変化
日本にいるとあまり感じないのですが、海外の情報や動きを見ていると、
IT財閥というか色々なライバル関係・協力関係が出てきています。
それまでの専門分野を飛び出して、幅を広げる動きですね。
例えば、googleはgoogle+を開始し、android端末も普及しました。
amazonはタブレットへのシェア拡大を図り、電子書籍の拡大も実施しています。
appleもiPhone・iPadの拡販も関連し、コンテンツビジネスを拡大しているように感じます。
adobeはモバイルFLASHから将来撤退するというニュースもありましたが、
Omunitureなど関連企業も絡めた動きが拡大しています。
そしてmicrosoftもスマホやタッチパネル式PCの開発などを積極的に進める動きです。
facebookも会員数が日本でも大きく増え、世界中に拡大しています。
検索エンジンのgoogle、書籍販売のamazon、macのapple、クリエイトソフトのadobe、
OSのmicrosoft、snsのfacebookという印象がこれまでは強かったですが、
他の領域への展開が多く、合従連衡があちこちで起きています。
どことどこが協力関係で、どことどこがライバルという構図が変わってきましたね。
日本でyahooがgoogleのエンジンを採用するなど、元々のライバルが弱体化したり、
提携することで、財閥的な動きが進んだと思います。
私自身もメインブラウザ・検索エンジンはgoogleで、本を買うのはamazonで、
iPadを使用し、社内ではadobe製品が多用され、windowsで仕事をし、
facebookを活用しているという状態ですが、来年はこの辺も変わるかもしれませんね。
1)SEOの変化
SEOは今年変化が大きかった年です。
大きな変化は二つです。
1つは日本のyahooが米googleのエンジンを検索エンジンとして採用したことです。
検索エンジンはその検索精度やスピード、新機能等の進化が著しい状況ですが、
これまではyahooとgoogleは別々のロジックであったため、SEOもばらばらに対策する
会社がありましたが、これがほぼ一本化されました。
元々検索ロジックの思想が似ている以上、望ましい状態と言えるかもしれませんが、
今までよりも検索エンジンの動向に業績が影響を受ける時代になったわけです。
二つ目は検索エンジンのロジックの進化です。
いくつかのアップデートがありましたが、私が大きく考えているのは下記です。
・質の悪いバックリンクや不正なバックリンクが排除されたこと。
ワードサラダで作成したものや、関連性の弱いSEOサイト、
発外部リンクが多いSEOサイトからの外部リンクの効能が弱くなり、
ペナルティを受けることも起きています。
企業側もSEOサービスの選定に責任を強く求められています。
・コンテンツの質・量・タイミングが今までより重要になったこと。
コンテンツが少ないと外部リンクで相当頑張っても上位表示は難しくなり、
質の高いコンテンツがそれなりのボリュームで存在し、
更新頻度も高いこと。これが必須になっています。
とはいえ、どこかのサイトは1位になり、どこかのサイトは100位になるということは変わらないので、
サイトの品質向上に真剣に取り組んできた会社のサイトは今までよりも順位があがりやすくなりました。
10月・11月は特に順位の大変動が大きく、100位圏外から一気に10位ぐらいまで上昇するサイトも出ています。
弊社では更新頻度を高めることやコンテンツの質向上、質の高いSEO施策等を今後も行っていきます。
2)リスティング広告の変化
リスティング広告も11月にヤフーリスティングのシステムが変わり、
googleadwordsとほぼ同じような機能になりました。
部分一致・フレーズ一致等の考え方等もあり、混乱がありましたが、
今は順調に動いているようです。
従来のyahooリスティングにあったトラッキングURLという機能がなくなったのは残念でしたが、
リスティング広告全体の進化はあったように思います。
リマーケティングもgoogleでスタートし、コンテンツマッチの精度も良くなった(効果が出やすくなった)と思います。
弊社では以前からリスティング広告の運用を行っていますが、
今年は効果がかなりデータ事例が多かったです。
3)スマートフォンの普及
秋にiPhoneがsoftbankとauからの発売になったこと等もありますが、
スマートフォンの普及が進み、その影響でウェブ解析にも大きな変更がありました。
アクセスにスマフォの占める割合は右肩上がりです。
スマフォ専用サイトを作ったところでは問い合わせ等が急上昇する半面、
スマフォに最適化されたサイトがないと、平均PVが通常より大きく下がり、
問い合わせも減少ということもありました。
弊社でもスマフォサイトの作成は増えていますが、マーケティング的なポイント、
コーディング(制作)のポイントもいくつかあります。
4)ウェブ解析の変化
手前味噌ですが、JWDAのウェブ解析士認定講座・検定の受講者・受験者は大きく増えました。
昨年11月にスタートした初級ウェブ解析士認定講座は1400名を超え、
昨年9月にスタートした上級ウェブ解析士認定講座ももうすぐ500名に達します。
昨年11月にスタートしたウェブ解析士マスター認定講座ももうすぐ100名に達します。
開催した都道府県も北海道、青森、岩手、宮城、福島、千葉、さいたま、東京、神奈川、
静岡、愛知、石川、京都、大阪、岡山、広島、愛媛、福岡、沖縄と
一都一道二府十五県で開催されました。
上記以外の地域の方からの参加も多く、受験者の都道府県ではほとんどの都道府県で
参加者がありました。
ウェブ解析が普及した理由としては、
・ツールが普及し、ウェブマーケティングの重要性が高まったこと
・ウェブの効果測定の容易さや改善施策の手軽さが浸透したこと
などがあると思います。
弊社でもこれまで以上に講座の開催、コンサルティングの実施、ツールの普及等に努めていきたいと思っています。
5)SNSの拡大
東日本大震災ではtwitterが大活躍しましたが、facebookも今年は大きく広がり、
linkdInが日本語に対応したり、google+も普及が進みました。
海外勢の広がりが目立ちましたが、mixiもモバイル中心に広告効果が高いという話もちらほら聞きます。
使い方については、ビジネスユースと個人ユースで異なりますが、
SNSは「ビジネス」と「個人」の関係を大きく変えることになるのではないかと思っています。
「どこどこ会社にいるAさん」から「Aさんがいるどこどこ会社」というように
個人の重要性が高まる流れになると思います。
ビジネスだと会社と会社の関係でしかつながっていなかった人が、個人対個人の関係でもつながりますし、
コミュニケーションがビジネスにおける最重要要素であることを考えると、
コミュニケーションの手段としてSNSは非常に重要です。
色々な方もおっしゃっていますが、いわゆる「技術」「ノウハウ」「スキル」を活かすための
「コミュニケーション」の重要性が高まり、仕事のあり方は大きく変わるのではないかと思います。
反面、メール・各種SNS・電話等連絡手段や共有手段が多様化しているので、
情報の確認にかかる時間は増えそうですが。。。。
弊社でもfacebookページの作成などを通して、SNS活用支援を今後も続けていきます。
他にもHTML5、CMSなど様々なところで変化がありましたが、
ウェブマーケティングに関わる様々な要素に大きな変化があり、
それが収益・販路拡大や効率化、コスト削減等様々なところに影響が出てくる。
そして、それを活かす組織・個人の振舞い方も変わってくる。そういう時代ではないかと思います。
最後に、本年は大変お世話になりました。
来年も私及び株式会社環をよろしくお願いいたします。
ウェブサイト構築・コンサルティング:http://www.kan-net.com/
アクセス解析ツール「シビラ」:http://www.sibulla,com/
ウェブ解析士認定講座:http://www.web-mining.jp/
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