上司部下のコミュニケーションを良くする「スポットライト効果」
脳の働きの一つに「選択的注意」と呼ばれるものが有ります。
人間は、ある特定の刺激情報だけを選択的に感じて、注意を向けた刺激を捉えています。
しかし、注意を向けていない刺激は捉えられないという反応の事を言います。
具体例として、アメリカの心理学者のチェリー氏により提唱された「カクテルパーティ効果」が紹介されることが多く、大勢の人が雑談している中でも自分の名前や自分が興味のある人の会話については聞き取ることができるという人間の脳の働きの事を言います。
パーティーで近くに気になる異性がいたり、自分の奥様や旦那様が異性と話をしていると会話の内容が気になり、ついつい気になって聞いてしまう、ということはありませんか?
人間の意識は1度に2つ以上の情報を捉えることが非常に難しいのです。
私の研修では、この現象を「スポットライト効果」と呼んでいます。
人間は、今、スポットライトが当たっているところしか見る事ができず、それ以外の場所はぼんやりと暗くしか認識できないという事からこのように呼んでいます。
例えば、今このコラムを読みながら、テレビをつけてニュースの内容を的確に把握しようとすると、どちらかが必ずおろそかになってしまいます。「コラムを読む」ことにスポットライトが当たっていますので、読むこと以外に意識を向ける事が非常に難しい訳です。
さて、ではこの「スポットライト効果」ですが、皆様のビジネスにどのように役立てる事が出来るのでしょうか?
「スポットライト効果」の効用
実は、この「スポットライト効果」、上司・部下とのコミュニケーションはもちろんのこと、営業マンの商談や、プライベートでの人間関係を良くするコミュニケーションにもうまく応用することができます。
例えば、部下のミスを上司が指摘する場合
「何故できなかったんだ!」
「どうしてわからないんだ?」
「本当に営業をしてきたのか?」
なんて言葉が飛び交っていると、ネガティブな言葉はそれだけで大きな力を持ってしまいます。
叱っている上司として改善点を全く指摘できていないばかりか、聞いている部下本人のやる気は下がっていく一方です。
言葉は本当に大切です。
さて、このような表現。どう言いかえれば良いでしょうか?
次回に続きます。
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