
- 山口 佐知子
- ライター
対象:婚活
- 舘 智彦
- (仲人)
- 橘 凛保
- (マナー講師)
20代の頃、少年マンガの編集部でアルバイトをしていた時期がありました。
編集部は、私のようなバイトをのぞいては、全員が男性編集者。20~40代までの見た目は立派な大人の男性たちが揃っていたにもかかわらず、編集部は「中2男子の教室」ムード満点。しかも、授業ではなく休み時間のノリでした。野球の試合があれば編集部は丸ごと空っぽになるし、サッカーの試合があればテレビの前にみんなが釘づけになる。壁に貼られたグラビアアイドルのポスターや、机に並べたフィギュア群まで、すべてに男子っぷりを遺憾なく発揮しているような職場でした。
恋愛や結婚に疎い男子たちにもウケが悪い「あのこと」
そんな男子たちに対して、「恋愛や結婚のことについては、彼らはめっぽう疎いに違いない」と思いこんでいた私が驚いたのは、バイトの最終日でした。これから何をするのかを聞かれた私は、冗談半分で「自分探しの旅に出ま~す」と答えました。すると、いつもの男子たちの顔が一転、いきなり大人の表情に戻り、「それだけはよせ」「やめておけ」などと神妙な調子で諭されてしまったのでした。
彼らの意見は総じて、「自分探しをする女にロクな者はいない」「中途半端な自分探しは不幸のもと」というもの。それほどまでに、「自分探し」が男性ウケのよくない言葉だったということを思い知った出来事でした。
自分探しに必死な女性はモテない?
あれから10年以上たった今、時代はずいぶん変わりました。恋愛や結婚でもさまざまな変遷があり、求められる男性像や女性像にも変化が生じています。ところが、私が取材で訪れる婚活の現場ではいまだに「自分探しをする女性はモテない」、というのが男性の定番の意見なのです。
思うに、もしも「本当の自分」があるとすれば、自分探しの結果そこにたどりついた人は、「かたくなな人」になってしまうのではないでしょうか。
日常生活では「私」のアピールの出番はほぼゼロ
自分の目指す路線や進むべき方向性がハッキリしている人は、「私はそういうの苦手だから」「私はこれが好きだから」などと「私」の部分をしっかりと表明することができます。
でも、芸能人や著者など特化したキャラの部分込みで生計を立てている特殊な人たち以外は、日常生活においてかたくなな「私」のアピールはあまり活躍の出番がない、というのが本当のところです。考えてみてください。今、一緒に働いている人が、釣りの名人だろうと、変わった資格をいくつも持っていようと、日常の仕事にはなんら影響を及ぼさないと思いませんか?
むしろ、自分探しを追求するあまり、恐ろしくマイナーなことに興味があることを発表したり、人と違った個性を出そうとおかしな言動やファッションをしたりすると、「不思議ちゃん」の謗りを免れません。不思議ちゃんは趣味性が高いため、社会では人畜無害でピースフルなポジションです。とはいえ、男女ともに一線を引かれた付き合いをされがちなのも事実。なので、「モテ」を狙うことが難しいだけでなく、ともすれば扱いに困るため、周りに気を遣わせる人間関係にもなりかねません。
後出しの付加価値は、自分を魅力的に見せる
自分探しをしたいなら、黙って行うこと。知り合った後で、「実は釣りが大好きで、毎週末、釣宿から海に出ているの」とか「資格のコレクターで、次に狙っているのは今治のタオルソムリエなんだ」と聞くと、「単なる不思議ちゃん」から「意外な魅力の持ち主」に格上げされるものです。
自分探しを追求するあまり、こだわりの強い人というイメージを周りに与えてしまうようなら、それは得策ではありません。大げさにアピールせずに粛々と活動する、または、睡眠や食事と同じように生活の営みの一部として行う。このどちらかのほうが、スマートですし、自分の魅力につながりそうな方法ではないかと私は思っています。
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