デジタル製品業界の一部に「これまで無償で使えたAndroidが無償でなくなるかも」とか「これまでAndroidを使い自由に開発できたのにそれがやりにくくなってきた」という意見があるそうです。
これ、一見すると「普通の意見」に見える/聞こえるのですが、実はちょっと変です。
何が変か?
(A)そういう意見を持っている人たちは「ただで(無償で)」Androidを使っていました。
(B)そして「お金儲け」をしていました。
(C)つまり「他人のものをただで使ってお金儲けをしていた」わけです。
「ただで使えていた」ものが「ただで使えなく」なったら、文句の一つも言いたくなります。
それはある意味「自然の反応」です。
しかしですね・・・、
◆「ものごとの対価は支払われる」というのが経済原則です。
◆ 仮にそれが無償で使えるのであれば、それは何らかの好意によるものです。
よって、
◆“それを使う人はその好意に感謝し、対価を支払わずに使用しているという事実を「自覚し」(或いは「わきまえて」)使う”というのが筋です。
私は「これまで無償で使えたAndroidが無償でなくなる恐れがある」という“否定的感情そのもの”を非難しているわけではありません。
私は「これまでAndroidを使い自由に開発できたのにそれがやりにくくなってきた」という“文句そのもの”が変だと言っているわけでもありません。
私が変だと言っているのは、
★ そんなことに否定的な気持ちを抱いている人々の“傲慢さ”
・・すなわち「無償の知的資産を使って金儲けをしていること」をさも「あたりまえのこと」のように感じている(ように見える・・)
ことと、
★ そういう自分に気付いていないであろう“身勝手さ”
・・すなわち「自分のものをただで使い金儲けをした相手には否定的感情を向けるであろうのに、自分が自分のものでないものを使って金儲けすることには違和感を感じていない」(ように見える・・)の2つなのです。
(中沢努「日常を哲学する」から抜粋)
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