
- 久保田 正広
- 株式会社 FPバンク 代表取締役
- 東京都
- ファイナンシャルプランナー
対象:住宅資金・住宅ローン
- 伊藤 誠
- (ファイナンシャルプランナー)
- 伊藤 誠
- (ファイナンシャルプランナー)
返済比率は問題ないと思っていたKさんに、
「あっ、Kさんそれもしかして、1.05%で計算しませんでした?」
「えっ、違うんですか?」
Kさんの計算した返済比率は25.1%で十分に基準をクリアしていたのですが、銀行の計算では37.0%で、基準をオーバーしていたのです。
何故、そのような差が出てしまったのかというと、返済比率を計算する際にKさんは「適用金利」を銀行は「審査金利」を使用したという差があったのです。
Kさんが利用しようとしている金利タイプは変動金利なので、今後上昇する可能性があります。そこで、銀行が返済比率を計算する際には将来の金利上昇を加味した審査金利を使用するのです。
それで、この審査金利は一体何%なのかというと・・・
銀行によって多少の差はありますが、4%を使っているケースがほとんどです。
つまり、将来金利が4%になっても十分返せるかどうかを確認しているのです。
「でもちょっと待って下さい。それならどうして購入の時は審査が通ったのでしょうか?」とKさん。とても頭の回転が早いです。
「5年前、奥様は働いていましたか?」
「はい」
「では収入合算をしませんでしたか?」
「あっ!」Kさんは連帯債務という言葉を思い出しました。
当時は二人の収入を合わせて楽々審査を通過していたのでした。
「でも変だなあ。今までよりも返済額が減るのに・・・」
理屈はわかりましたが納得がいきませんでした。
「子供が3人いる友人が言ってましたけど、奥さんがパートに出ても大変だって。うちは子供がいないので比較的余裕があるんですが、そういうのは審査と関係ないんですか?」
「家族構成は大事な要素です。しかし、実際に余裕があっても返済比率をオーバーしてしまっては審査は通らないでしょう。
また、将来の家族構成の変化までは銀行は予測しませんので、例え将来奥様が仕事を辞めようと、子供を3人産もうと、借入時点で基準をクリアしていれば審査は通ってしまいます。」
「という事は、銀行の審査は真の返済能力を見ているのではなくて、ある程度割り切って線引きをしているって事ですね?」
「よく気がつきましたね。ですから、銀行が貸してくれる金額と貴方が借りていい金額は全く違うという事を認識しなければなりません。
それを知らずに大変な事態になってしまった方も大勢います。逆に全く問題ないのに審査が通らないという事も起こってしまうのです。」
「よくわかりました。銀行の審査のポイントが。今回は借り換えは諦めた方が良さそうですね。」
「まだ諦めるのは早いです。」
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