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中国特許判例紹介:中国実用新型特許の創造性判断(第2回)
~組み合わせが考慮される技術分野は発明特許よりも狭い~
河野特許事務所 2011年10月26日 執筆者:弁理士 河野 英仁
重慶万馳オートバイ部品有限公司等
無効宣告請求人、一審原告、二審上訴人
v.
知識産権局専利復審委員会
一審被告、二審被上訴人
3.高級人民法院での争点
争点:異なる技術分野に対応する事項が開示されている場合に、どのように創造性を判断すべきか
引用文献1には、技術特徴A以外の事項が開示されており、引用文献2に技術特徴Aが開示されているというケースは実務上多く存在する。引用文献2が引用文献1とは技術分野が相違する場合に、どのように創造性を判断するか、また、発明特許と実用新型特許との創造性の判断にどのような差があるのかが問題となった。
4.北京市高級人民法院の判断
引用文献中に明確な啓示がある場合、接近または関連する技術分野を考慮することができる
北京市高級人民法院は、三輪オートバイに関する引用文献1には、自動車の技術分野へ問題となる技術特徴を探すよう促している明確な啓示がないことから、創造性有りと判断した復審委員会の判断及び北京市第一中級人民法院の判決を支持する判決をなした。以下詳細を説明する。
参考図3は本特許の構成図であり、参考図4は引用文献1の構成図である。
参考図3 本特許の構成図
参考図4 引用文献1の構成図
引用文献1及び本特許は共に“三輪オートバイ車体フレーム”に関し、同一の技術分野に属する。引用文献1は本特許請求項1中の
「前記前後2つの横ビーム(7、7′)の両端はそれぞれ後ビームフレーム両辺の縦ビーム(6)の外側に延びて、板バネスプリングを装着するのに用いられるラグに固定連接され,」
の技術特徴を開示していない点で、請求項1に係る発明と相違する。
(第3回へ続く)
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