大手ならよいのか

以前に私が売主側の代理としてマンション売買の契約をした時のことです。

テレビコマーシャルもガンガンやっている誰でも聞いたことのある某大手仲介業者が買主を付けてきました。その某大手の担当者は入社１年か２年目位の若い方だったのですが、上司が出てきて「私が付いてきちんとやります」とのことで、安心して任せきっていたのです。

この時は通常のローン設定だったため、何の不安もなかったのですが、待てど暮らせどローンが通ったとの連絡がありませんでした。電話して上司を呼び出してもその 「１年生」か「２年生」の担当者が電話口に出て、上司は絶対電話に出ません。

待ち切れなくなった私は、別の銀行への打診も要請しました。すると、金利が４％以上の所でローンの承認が出たとのこと。最初に持ちこんだ都市銀行の金利差は２％以上。

私は、それでは買主がかわいそうだと思い、ローンを持ちこんだ都市銀行の別の支店の知り合いの支店長を通してどうなっているかを探ってもらいました。驚いたことに、銀行の担当者も経験が少なく、本件ローンの書類が上層部に上がったのが２日前とのこと。契約してもう３週間になろうとしているのにです。

全然進行していなかったんです。買主にすれば２％以上の金利差で返済額にして毎月３万円も多いローンを押し付けられるところだったのです。

どうです？大手さんは名は知られていますが、その担当者の力量によって大変なことにもなりかねないのです。

買主は一生に一度程度の大きな買物をするのに、大手さんにとっては数多いお客様の一人に過ぎないのです。また、そんなに大きな買物をするのに「１年生」や「２年生」のような「研修生」にお任せできますか。

自分のわからない領域の話になると、しょうがないのかも知れませんが、例を２つ挙げます。

１つ目はデパートなどで洋服を買う場合。売場の若いお姉さんに勧められて洋服を買う場合は、もし失敗してもあまり痛手にならないし、問題にもなりませんよね。

そこで２つ目。証券会社のカウンターで、カウンターのお姉さんに儲かる株があるかどうか聞いて株を買う。そんな人、いませんよね。たとえば自分の息子や娘ほどの年齢の担当者に「この株は儲かりますよ」と言われて株を買う人なんていないとおもいます。

それなのに、不動産となるとわからないことだらけなので「研修生」の言うことでも聞いてしまう。

それっておかしいですよね。

ちなみに私の所のような零細企業は「数多いお客様」はいないので、「数少ないお客様」へ、まちがいのない様、対応をしています。

もちろん大手業者でなければできない仕事や優秀な営業マンもたくさんいらっしゃいます。皆さんも不動産を購入される時は、業者の看板ではなく、営業マンの力量で業者を選択してください。