反社会勢力の排除は全国的に進められていますが、不動産取引におけるその内容に触れておきます。
東京都の場合。
不動産の譲渡等における措置
1.不動産の譲渡又は貸付をする者は、当該譲渡等に係わる契約を締結するに当たり、当該不動産を暴力団事務所の用に供するものではないことを確認するよう努めるものとする。
2.不動産を譲渡する者は、当該譲渡等に係わる契約を書面による締結する場合には、次に揚げる内容の特約を契約書その他の書面に定めるように努めるものとする。
一 当該不動産を暴力団事務所の用に供し、又は第三者をして暴力団事務所の用に供させてはならないこと。
二 当該不動産が暴力団事務所の用に供されていることが判明した場合には、当該不動産の譲渡等をした 者は、催告することなく当該不動産の譲渡等に係わる契約を解除し、又は当該不動産の買戻しをする ことができる。
さらに、売買契約書には次の文言が標準で入れられることになりました。
1.反社会的勢力の排除
2.この規定に反した場合は違約金として、売買代金の20%相当額を支払うものとする。
3.上記の違約金の他に売買代金の80%相当額の違約罰を制裁金としてしはらうものとする。
契約の解除については、「何ら催告せずに契約を解除することができ」、「この契約が解除された場合には解除された者は、解除により生じる損害について、その相手方に対し一切の請求は行わない」となっています。
これは、売買等の取引があった後、反社会勢力と判明した場合、契約の解除つまり契約が無かったことになるので物件は返され、さらに合計100%の違約金等が発生するとのこと。これは売買時に受領した全額を反社会勢力に返さずに契約を解除するとこなので、受領した金銭は一切返さなくても良いということです。
ただ、法律でこうは決まっていても、実際の運用では、かなり揉めるでしょうね。ただでさえ難しい人たちなのに、さらに金を返さないということですので。
要はそのような相手方と契約しないのが一番です。少しでも怪しいところがあれば、業者を通じて警察へ照会できますので、確認は怠らないで下さい。
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