- 杉田 昌穂
- 青穂塾 塾長
- 大阪府
- 塾講師
対象:子供の教育・受験
現代の塾や学校でよくいわれるのが先取り学習です。先取り学習って何でしょうか?
いったい何より「先」に進むのでしょうか?その基準になるのは恐らく公立学校でしょう。つまり文部科学省の出す学習指導要領ということになると思います。
では学習指導要領とはいったいどのようにして作られるのでしょうか?私はよく知りません。ただ文部科学省のホームページをのぞいてみますと、どのようなメンバーでどのような討論が行われたのか意外に詳しく公表されています。
これを見て思うことは、文部科学省の役人と大学教授などが中心になって討論しており、現場の教師がほとんどいないことわかります。一般からのヒアリングもしているようですが、それがどのように生かされているのでしょうか?
またNHKの番組だったか、新聞記事だったか忘れたのですが、文部科学省としては中学校の数学から「幾何の証明」をなくす方向で学習指導要領を作りかけていたのに、あるノーベル賞受賞者の「鶴の一声」でひっくり返ってしまい、中学校の数学に「幾何の証明」が残ったという話を聞いたことがあります。
こう考えてみると、この学習指導要領を基準とするには、やや心許ないものであるといわなければなりません。実際に30年間子どもたちに勉強を教えてきた塾講師としては、その内容にさほど重要な価値があるとは感じません。実際に私に経営する青穂塾では、学習指導要領をほとんど無視しています。
それにたいして、先取り学習をしようとする人たちは、学習指導要領を価値ある物として一旦は持ち上げておいて、その次に「学習指導要領なんてクソ食らえ!」とわざわざ踏みつけにしているように見えます。「中学入試を有利に持って行くために、効果的な勉強をしていますよ。」という宣伝効果をねらうための道具にしているだけにしか見えないように思います。
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