公認会計士・税理士の岸井幸生です。
会計事務所の正しい選び方。連載第2回です。
私のブログ記事から一部Allabout用に手直ししています。
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正しい会計事務所選びができるように、ポイントをいくつか挙げていきたいと思いますが、
その前に、なぜ事務所選びがそこまで重要なのかということを3点紹介します。
i.経営意思決定の材料は数字に絡むことが多い
ii.事業の異変に気付くことのできる立場にいる「唯一の外部者」
iii.業界を超えて横断的につながる窓口
i.経営意思決定の材料は数字に絡むことが多い
経営は、「やる」か「やめる」か「現状維持」かの3通りの中からひとつを選ぶ作業の連続です。
選ぶための材料は色々ありますが、最善の選択を考えるのであれば決め手のひとつに「数字」が必ず出てきます。
会計事務所に求められる仕事の一つに、このような「経営意思決定の際の数字の作りこみ」がありますが、
私の知る限り会計事務所のうち4分の1もこの仕事は出来ていません。
リスクを想定できた上で投資するか、暗闇に突っ込むか、その差は小さくありません。
ii.事業の異変に気付くことのできる立場にいる「唯一の外部者」
上場企業でもない限り、自分の財布(財務状況)を世間にオープンにすることはありません。
したがって、経営幹部や一部金融機関等以外で会社の財布がどうなっているのかを把握している人はいません。
経営幹部は当然、異変に真っ先に気付くべきですが、得てして内部にいると客観的な評価が出来ないものです。
また金融機関も、貸したお金が返ってくるかどうかをモニタリングすることが重要であって、
決して経営にアドバイスをする立場にありません。
そうなると、唯一、会計事務所が全てを把握して客観的にモノが言える立場にあるわけです。
ところが、その立場にありながら異変を教えてくれない(気付いていない)会計事務所もまた多いのが現状です。同じように、節税もそのチャンスに気付くかどうかが重要になります。
iii.業界を超えて横断的につながる窓口
会計事務所は色々な業界、組織の財布の中身や事業のやり方を見ています。
あの業界のあのやり方がここでも応用できないか、コラボできないかなど、提案できる数少ない存在です。
時には直接お客さん同士を紹介して新しい付加価値が生まれたりしますから、営業面でも役に立つことがあります。
また、色々な分野の第一線の人たちと交流しているので、最新の情報が集まります。
ところがこれも会計事務所によります。
会計事務所の会計士なり税理士なりの行動力が大きく影響します。
一方、中には、ある業界に特化した会計事務所があります。
このような会計事務所の場合は、業界を超えてのアドバイスは得意ではないかもしれませんが、
業界特有の事象に詳しいため、特殊な業界の経営者さんはこのタイプの会計事務所を選択するメリットがあります。
どれだけその業界に詳しいかでそのメリットが変わってくるでしょう。
この辺りの話は会計事務所のタイプ別のメリットデメリットで詳しく解説しますが、
どちらにしても、会計事務所の会計士・税理士がどれだけ積極的に動いているかによるところが大きいと思います。
いよいよ、次回は会計事務所を選ぶ際のポイントを一つずつ見ていきます。
第3回 事務所選びのポイント(規模)
第4回 事務所選びのポイント(報酬)
以降未定。。。
※こんなことを教えてほしいなど、ご意見・ご質問ありましたら私までお問い合せ下さい。
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このコラムの執筆専門家
- 岸井 幸生
- (東京都 / 公認会計士・税理士)
- LBA会計事務所 代表
社外から会社のビジネスを支えるプロ社外役員
顧問税理士以外で何でも相談できる人が欲しい、を提供しています。クライアントの皆様と夢を共有し、ビジネスに興味をもって最適なアドバイスを行っていくことが一番の貢献です。
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