土地収用ってご存知ですか?
収用というのは、道路の新設や拡幅工事、河川の拡幅に伴って、
国が工事に該当する土地を所有者から買い取ることをいいます。
つまり国が行う立ち退きです。
立ち退きと聞くと、車が突っ込んできたり、
庭にヘビを大量に撒かれたり、
街宣車が周回したりと怖いイメージがありますが、
国のやることなので、当然そんな乱暴な行為は行いません。
いくらで国が土地を買い取るのか?
立ち退かされる側にとっては非常に気になるところです。
「現在どこそこの土地がいくらで売り出してるから」
とか
「先月あそこの土地がこの位で売れたから」
と言ったような、
不動産屋的な発想で金額が算定されることはあまりありません。
件数が多いので、金額に反映されやすい陽当たりや地形等を、
細かく個別対応することが出来ないんですね。
不動産鑑定士が路線価や公示価格を参考に算出するので、
実勢・取引価格とは大分違います。
大体取引価格の7割から8割が参考価格と言われてます。
最後まで粘って粘って、
より高い金額を引き出す・・・というのが、
一昔前の必勝法的な考えでしたが、
今は残念ながら通用しないようです。
国の予算枠が予め決められており、
後になればなるほど、予算が枯渇していきます。
昔のようにどんぶり勘定とはいかないので、
当初提示の金額より安くなってしまうこともあるようです。
スケジュール通りに進まないというのが最も困った点です。
「国のやることだから・・・」
として、遅々として進まない作業を、
収用する方もされる方も当然として捉えている節があります。
立ち退かされる所有者は、
国に早く作業を進めてくれないと次の計画が一向に立てられません。
道路の新設や拡幅工事は、
国民の利益に繋がることです。
一方的に国民に負担を強いているという訳ではないかもしれませんが、
国民に迷惑をかけることに違いはないので、
迅速な対応をお願いしたいですね。
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