- 沼田 順
- Office JUN 代表
- 兵庫県
- ファイナンシャルプランナー
対象:住宅資金・住宅ローン
- 伊藤 誠
- (ファイナンシャルプランナー)
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銀行の中では、数少ない翌月の適用金利を今月に発表しているソニー銀行ですが、9月は俯瞰すれば、固定金利の小幅な引き下げのみとなりました。
まず変動金利が引き下げになっていますが、これはソニー銀行独自のもので、他行の9月は据え置かれるものと考えられます。そもそも、変動金利は銀行の貸し出し金利である短期プライムレートに連動する仕組みになっており、短期プライムレートが変動していない以上、他行はどこも据え置きなのですが、ソニー銀行だけは独自の判断で引き上げたり引き下げたりしています。これはかえって利用者の混乱を招くだけであり、改善を望むところです。
一方の固定金利ですが、これは20年超の最長期間の金利で前月比0.053%低下し、2.517%となりました。7月はアメリカの景気回復期待で株高・債券安(金利は上昇)、8月は一転、アメリカ国債の格下げで各国の財政懸念が高まり、これに連動した世界景気の減速懸念による株安・債券高(金利は低下)となりました。ソニー銀行の場合は、資金調達時期が他行より半月早いため、7月後半の金利上昇と8月前半の金利低下が今回も相殺された金利設定と言えそうです。
気になる他行の9月の長期固定金利の見通しですが、今月もセオリー通り、完全に株価の動向に左右される展開となりそうです。
8月の株安で安全資産と言われる債券市場にお金が流れ、長期固定金利の指標となる10年物国債の利回りは15日の終値で1.040%と1.100%を下回る水準まで低下しています。
世界各国の株式市場はここ数日で落ち着きを取り戻しつつありますが、それでも順調に元の状態に回復するには数ヶ月はかかるだろうと言われています。
8月の後半に一気に株高・債券安(金利は上昇)が進むとは考えにくく、利回りが多少上昇しても9月の長期固定金利は、8月よりも低下の可能性が現時点では一番高いと考えています。
追伸:8月10日に、管首相が退陣表明すると伝わると債券市場では債券価格が一時的にですが下落しました(金利は上昇)。すなわち、市場の根底には首相が交代すると復興も進み、株高・債券安(金利高)になるのではないかという思惑があります。現在は世界の市場が混乱しているため、株安・債券高(金利安)で長期固定金利は低下していますが、市場が落ち着きを取り戻し、政治の体制が復興に向けた動きに固まると、徐々に長期固定金利にも上昇圧力がかかってくる点には注意が必要です。
沼田 順(CFP(R)認定者・1級FP技能士、宅地建物取引主任者、住宅ローンアドバイザー)
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