- 大塚 嘉一
- 菊地総合法律事務所 代表弁護士
- 弁護士
対象:民事家事・生活トラブル
- 榎本 純子
- (行政書士)
「背水の陣」といえば、一般には、漢の劉邦の武将韓信が、わざと川を背に陣取り味方に決死の覚悟をさせて敵を破ったことから、絶体絶命の状況をあらわす、などと理解されています。
しかし、原典である史記の淮陰侯列伝に当たってみると、話はもう少し複雑です。背水の陣をしいたあと、韓信の軍はわざと逃げ、それを追う敵軍がその陣地を空にすると、韓信が予め配置してあった奇襲兵が、打ち合わせのとおりその陣地を奪い漢の旗を立てたので、敵軍の兵は混乱し、必死の漢軍に挟み撃ちにあって負けた、とあります。
部下を叱咤激励し、鼓舞するだけではなく、周到に成功への具体的方策を準備してやれることが、指導者に求められる資質である、と解釈すれば、単なる精神論ではなく、現代のリーダー論にも妥当するものと納得できます。
福田首相は、「冗談で」背水の陣云々と言ったと発言したそうですが、冗談ではなく、国民のために、本来の意味での背水の陣で臨んで欲しいものだ、強くそう思います。
| コラム一覧 |
このコラムの執筆専門家
- 大塚 嘉一
- (弁護士)
- 菊地総合法律事務所 代表弁護士
依頼人の法的権利を実現する─それが私どもの願いです
全国各地の相続、不動産、同族会社の案件を中心に幅広く、新都心さいたま市を拠点として、永年にわたり多数手懸け解決しています。企業法務や病院・医院、寺社の法務にも精通しております。遺留分減殺請求、株式買取請求、為替デリバティブに実績があります。