- 平岡 美香
- フードコンサルティング株式会社 マーケティングアドバイザー
- 東京都
- マーケティングプランナー
対象:飲食店経営
- 平岡 美香
- (マーケティングプランナー)
最近、飲食店の販売促進に疑問を感じてしまうことがあります。
全国紙の朝刊に多量のチラシを折り込み、オープンやフェア企画など、様々なキャンペーンを宣伝することは否定しませんが、もっともっと基本的で、人間味を感じることのできる販促方法はいくらでもあるはずではないでしょうか。
まずは、お金の掛からない常日頃の販促方法を徹底させること。
折り込みチラシなどのお金を掛けた販促はそれから。
この順序を間違えると、いくらコストをかけて販促を実施したところで、結局は効果が薄く、「お金が活きてこない」と感じることになります。
ここで、ある大手飲食店チェーンの創業社長の成功エピソードをご紹介します。このお話しからは、決してお金を掛けるだけが販売促進ではないことが理解できると思います。
その社長は創業時、ほぼ資金ゼロの状態で焼き鳥屋を開店させますが、立地の悪さもあり、お客様が来ない日々が続いていました。
どうしたらお客様が来てくれるのか。 ここで社長のとった行動は、非常にシンプルなものでした。
毎日の仕込みが終わると近くの銭湯に行き、たくさんのおじいちゃん達の背中を流してあげたそうです。背中を流しながら世間話をしていくと当然、「あなたは何をやっているんだ?」という質問が出てきます。
その時、社長は満を持して、「そこで焼き鳥屋をやってます」と答え、背中を流すことで一人ひとりお客様を増やしたそうです。
このことは銭湯にとどまらず、一度来店したお客様には、また来てもらいたいので、肩がこっていると言えば肩をもみ、靴が汚れていれば靴を磨き、泥酔したお客様は自転車で自宅まで送り届けるといった、「喜ばれること」ならなんでもやったそうです。
この手の苦労話はよくある話かもしれませんが、実際に自分で行動に移すとなると、体裁や恥ずかしさが先にたってしまい、なかなか出来ないものです。
何か他の方法を、、、と思い、結果は何もしない。小さな「喜ばれること」を日々続けていると習慣化し、不思議と最初の辛さもだんだん薄れてきます。
誰でも、「ありがとう!」と言われると、辛さや恥ずかしさよりも、喜びが伝わってきます。更には、「心の底からありがたいと思っていただかなければ」という思いから、ますますサービスにも力が入っていくものです。
そして、お客様に喜んでいただく、そんな感謝の気持ちが芽生えてくると、お店は次第に繁盛していきます。
このように、お金を掛けなくてもすぐに「喜ばれること」や、「ありがとう」と言ってもらえることは多くあるはずです。
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