不動産経済学 - 不動産売買全般 - 専門家プロファイル

巻口 成憲
リズム株式会社 専務取締役
東京都
不動産投資アドバイザー
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不動産経済学

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皆さんこんにちは、今回は不動産経済学という少々小難しいジャンル

について、すこしわかりやすくお伝えしたいと思います。

不動産の研究は対象範囲が広く、目的もさまざまですが、おおまかに

いってしまえば、以下の大きく三つの方向性の研究に大別できるので

はないかと考えています。

一つ目は不動産の現在の財の妥当性を評価する不動産鑑定的研究。

二つ目は都市の効率的な運用を目的とする空間経済学的研究。

三つ目は不動産という財の価値の変化を分析する時系列計量的研究。

証券化バブルの当時に盛んに話題となった不動産金融工学というの

はファイナンス理論からの分派ですので、どちらかといえば財の時間

価値を研究する時系列計量的研究のジャンルといえると考えられます。

不動産経済学という場合にはおもに二つ目と三つ目のジャンルを指す

ことが多いようです。本コラムは資産形成としての立ち位置から様々な

お話をさせていただいていますので、今日は時系列計量的研究を中心

にお話しさせていただきます。

不動産という財は、時間に応じてどのような価格変化を生じるものか、

そしてそのための性質はどのようなものがあるかということを分析し

研究するものが不動産経済学の時系列計量モデルとなります。

時系列計量モデルとはなにかといえば、たとえばGDPやCPIなどの

過去からの推移を分析するというイメージが一番わかりやすいでしょう。

当然のことながら価格は時間ともに変化します。それがなぜか?どの

ような影響によるものなのか?こうした理論を研究することは、経済学

上の興味にとどまらず、投資家にとって将来の価格予測が可能になる

という点においても非常に重要な知見となります。

不動産ももちろん時系列での分析が可能な資産です。通常、時系列

データはトレンドとサイクルという成分に分解することで、その傾向を

より正確に補足する手法を用いることになります。

トレンドとは長期的な推移の趨勢のことを表し、サイクルとは循環する

性質をもつ成分を表します。

さて、現在の不動産経済学の研究では、サイクルに対する数多くの研究

が行われており、さまざまな数式モデルや統計手法を駆使することに

よって、データが正確でありさえすれば、ある程度精緻な将来予測が

可能になっている段階にきているといえるのではないかと思います。

前回紹介した東証住宅価格指数はその正確なデータになりうる一つの

方法といえます。不動産経済学において時系列計量分析は今後一層

重要となってくる研究ジャンルであると考えられます。それはもちろん

皆さんのような投資家にとっても有用です。

本コラムでは最新の不動産経済学の情報についても引き続きお話

していきたいと思います。

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