株式会社バイヤーズスタイル 高橋正典です。
今日は、先日我が業界にとっての一大ニュースとなった『賃貸借更新料 訴訟』
についてお話ます。
マンションの借り主が賃貸借契約の更新時に貸主に支払う「更新料」
は消費者に一方的に不利益を押しつける「無効」な契約条項だとして、
借り主が貸主を相手に支払い済みの更新料の返還などを求めた3件
の訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)で7月15日
にその判決が出たのです。
結論・・・「更新料は有効」との初判断が示されました。
2審判決で無効とされた、1年ごとに2カ月分の更新料を取る契約条項も
有効とし、3件とも貸主側の勝訴が確定しましたね。
借り主側に厳しい判決で、契約実務に大きな影響を与えそうです。
裁判官4人全員一致の判断。小法廷は「更新料は賃料の補充や前払い
契約を継続するための対価など複合的な性質があり、その支払いには
合理性がないとは言えない」と指摘しました。
しかし、更新料は「賃料や契約更新期間に照らして高額すぎるなど特段の
事情がない限り無効とは言えない」と述べられました。
3件は京都と滋賀のマンションの借り主3人が07~08年に提訴し1審は
2件が有効、1件が無効となっていたものです。
2審でも有効1件(2年ごとに更新料2カ月分)、無効2件(1年ごとに同2カ
月分)と分かれ、同種訴訟の1、2審全体で無効が有効を上回り、最高裁の
統一判断が注目されていました。
小法廷は、2審で有効の1件で借り主側の上告を棄却。無効の2件は2審
判決を破棄し、借り主側に更新料の未払い分を支払うよう命じました。
上告審で貸主側は「借り主は更新料条項も合意の上で契約締結している」
と主張しておりましたが、借り主側は「契約時に情報や交渉力に格差があり、
締結せざるを得ない状況に置かれていた」と反論していました。
更新料は約40年前から主に京都や首都圏で慣習化し、現在、更新料込み
の契約件数は全国で100万件以上とあると言われています。
不動産取引における情報格差については、以前ブログでも触れました
しかし、それは事実として、果たして更新料についても情報格差と言えるのか?
それについて、一定の判断が出たと言えます。
基本、自己責任の時代であることを、再認識させられます。
株式会社バイヤーズスタイル 代表取締役 高橋正典
http://buyers-style.jp
このコラムに類似したコラム
メールマガジン始めました 立木 康夫 - 宅地建物取引主任者(2013/09/10 14:38)
最高裁が更新料「有効」の判決 真山 英二 - 不動産コンサルタント(2011/07/15 17:39)
賃貸人と転借人の関係 宮下 弘章 - 不動産コンサルタント(2010/11/15 09:00)
A054.都心高級賃貸の雄、青山パークタワー、こそっと告知 大槻 圭将 - 不動産業 不動産コンサルタント(2010/08/11 09:00)
D073.NOSが恵比寿に統合移転しました^^ 大槻 圭将 - 不動産業 不動産コンサルタント(2010/09/17 13:47)