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早わかり中国特許
~中国特許の基礎と中国特許最新情報~
第2回 中国での権利化のコツ(第2回)
河野特許事務所 2011年8月22日 執筆者:弁理士 河野 英仁
3.中国出願統計
(1)発明特許出願数統計
2011年3月中国知識産権局は2010年度における出願統計を公表した。図1は中国発明特許出願数の遷移を示すグラフである。
図 1 発明特許出願数の遷移を示すグラフ
▲で示す系列は中国国内から中国知識産権局に出願された件数であり、◆で示す系列は国外から中国知識産権局に出願された件数である。■で示す系列は国内及び国外からの出願を合計したものである。中国がWTO(世界貿易機関: World Trade Organization)に加盟した2001年頃の中国の出願件数は4万件程度であった。それが2010年度では約10倍にまで増加している。
筆者が10年前に実務を開始した時点では日本の特許出願数は40万件を越えており、中国との差は約10倍と圧倒的であった。中国市場の重要性に伴い、各国企業が中国への権利化を推進し、また中国企業の台頭により中国出願件数は激増した。日本の技術的優位性が失われていくのに歩調を合わせ日本特許出願数は35万件を割り込み[1]、ついに2010年中国に追い抜かれることになった。それも圧倒的な勢いで。図1で注意すべきは外国から中国への出願がそれほど増加していないのに対し、中国企業の出願数が急激に増えていることである。今後は、中国企業の特許に対し調査を行う等、十分な注意が必要とされる。
(2)実用新型特許出願数統計
図2は実用新型特許出願数の遷移を示すグラフである。
図 2 実用新型特許出願数の遷移を示すグラフ
実用新型特許出願件数も年々増加し、2010年には40万件を超えた。実用新型特許制度を活用しているのはほとんどが中国企業であるが、近年は外国企業による出願件数も増加傾向にあり2010年では2,598件にまで増加した。
[1] 特許庁HP
http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/nenji/nenpou2011/toukei/1-1_2.pdf
(第3回へ続く)
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