すねをかじっている息子の自宅土地の評価も引き下げられる?! - 相続財産 - 専門家プロファイル

近江 清秀
近江清秀公認会計士税理士事務所 税理士 公認会計士
税理士

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:遺産相続

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

すねをかじっている息子の自宅土地の評価も引き下げられる?!

- good

  1. 人生・ライフスタイル
  2. 遺産相続
  3. 相続財産
相続税

すねをかじっている息子の自宅土地の評価も引き下げられる?!

【法人と個人の税金対策に役立つ神戸の税理士のメルマガ】

今回は、特定居住用の小規模宅地の特例についてレアケースではありますが
相続税の節税対策に役立ちますので、ご紹介いたします

(事例-3)「居住の用に供されていた宅地等が2以上ある場合」
 被相続人Aは、Aの居住の用に供する宅地(X土地)と、
生計を一にする被相続人の長男甲の居住の用に供する宅地(Y土地)を所有していた。
遺産分割協議により、X土地及びY土地を甲が相続することになった。
この場合、X土地及びY土地に特定居住用の小規模宅地の特例を適用できるか。

(論点の整理と解説)
平成22年度改正以前は、被相続人等の居住の用に供される宅地等が2以上存在する場合に、
特定居住用の小規模宅地の特例を適用するに当たって実務上は注意を要する場面があった。

そもそも特定居住用宅地等の小規模宅地の特例は、被相続人等の居住の用に供される宅地等が、
被相続人の居住の用に供されていた宅地等である場合又は、

被相続人と生計を一にする親族の居住の用に供されていた宅地等である場合には、
相続人等の生活の基盤の維持のために不可欠であることから
通常の評価額の20%の評価額によって評価するという趣旨である。

その特例の趣旨から考えると、
適用対象となる宅地等は主として居住の用に供されていた宅地等に限るものと考えられる。

しかし、実際には裁判 が提訴されることもあり、
特例の適用対象が主として居住の用に供していた一の宅地等に限定されるかどうかが明確ではなかった。 

平成22年度改正において、特例の適用対象となる宅地は以下のように明確に定められた。
(措令40条の2第6項)

法第69条の4第3項第2号に規定する政令で定める宅地等は、
次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める宅地等とする。

1.被相続人の居住の用に供されていた宅地等が2以上ある場合(第3号に掲げる場合を除く。) 
 当該被相続人が主としてその居住の用に供していた一の宅地等

2.被相続人と生計を一にしていた当該被相続人の親族の居住の用に供されていた宅地等が二以上ある場合
(次号に掲げる場合を除く。)当該親族が主としてその居住の用に供していた一の宅地等
(当該親族が2人以上ある場合には、当該親族ごとにそれぞれ主として
その居住の用に供していた一の宅地等。同号において同じ。)

3.被相続人及び当該被相続人と生計を一にしていた当該被相続人の
 親族の居住の用に供されていた宅地等が二以上ある場合 

次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める宅地等
イ 当該被相続人が主としてその居住の用に供していた一の宅地等と当該親族が主として
  その居住の用に供していた一の宅地等とが同一である場合 当該一の宅地等
ロ イに掲げる場合以外の場合 当該被相続人が主としてその居住の用に供していた
 一の宅地等及び当該親族が主としてその居住の用に供していた一の宅地等

 今回の事例を措令40条の2第6項に当てはめて検討すると、
3ロに該当すると考えられる。したがって、Aの居住の用に供する宅地(X)と、
 生計を一にする被相続人の長男甲の居住の用に供する宅地(Y)は、
限度面積要件の範囲内で特定居住用宅地等に該当すると考えられる。


上記、設例のポイントは被相続人と生計を一にする親族
(わかりやすく申し上げると、いつまでも親のすねをかじっている
子供たちです)の生活基盤となっている自宅の土地も
評価を引下げることができる可能性があるということです。

ただし、実務ではほとんどありえないと思います。

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△
東日本大震災関連の税務情報のUP DATE

・東日本大震災に関連して所得税の予定納税の期限の延長等の
 情報が公表されました

 http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/yoteinouzei.htm

・東日本大震災に係る義援金等に関する税務上(所得税、法人税)の取扱いについて
 情報が公表されました
 
 http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/gienkin/toriatsukai.htm

・東日本大震災に関連して個人事業主の消費税の中間申告に関する
 情報が公表されました

 http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/kojin_jigyo_shohi/index.htm

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○
下記の内容については、私の事務所HPのトップページに
記載がありますので、興味のある方はご確認ください

http://www.marlconsulting2.com/

⇒『相続税の無料相談始めました』
 下記のALLABOUTのURLをご覧ください
 http://profile.ne.jp/pf/oumi/s/s-2016/

⇒『やさしい税務会計ニュース』
 今週は、消費税の簡易課税を適用するに当たって
 第何種?という質疑応答を飲食店のテーブルチャージを例に解説しています

⇒『経理総務担当者のための今月のお仕事のカレンダー』

   経理総務担当者様が毎月実施すべき業務をカレンダーでご案内
  しています。ご確認ください。7月のお仕事カレンダーです

⇒『会話形式で楽しく学ぶ税務基礎講座』
 
  今月は、「源泉所得税の納付を忘れてしまいました。
  どうしたらいいですか?(後篇)」というテーマです
  是非ご覧ください

⇒『旬の特集』

  社員の退職にあたっては、行わなければならない手続きが多くあります。
  処理をスムーズにすすめるために、日頃から書式やチェックリストを
  まとめておくと便利です。また、退職者の意見は自社の組織風土改善の
  参考になる場合が少なくありません。退職者との面談を行うことを制度として、
  情報収集を行うことも重要です。

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
【神戸の税理士が毎週配信している法人税・所得税・
 相続税に関する、最新情報と節税に役立つメルマガ】

 近江清秀公認会計士税理士事務所のURL
  http://www.marlconsulting2.com/
 ALLABOUT PROFILEのURL
 http://profile.ne.jp/pf/oumi
  神戸の税理士 近江清秀のBLOG
 http://marlconsulting.typepad.jp/
 M&Aのご相談は、信頼と実績の桜橋監査法人
 http://www.sakurabashi-grp.com/
 中央三井信託銀行のリバースモーゲージのHP
 http://www.chuomitsui.co.jp/person/p_03/p_03_re.html
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
【編集後記】
この度の震災に関連する様々な税務上の取扱について
情報が氾濫している状況です。被災者の皆様にとって
重要な情報が非常にわかりにくい状況になっています。
そこで、今回の震災に関連した税務上の取扱を簡潔に
まとめた書籍を共著で出版することとなりました。

「早わかり東日本大震災に対応する税務」税務経理協会
から出版されました。(2100円)

http://www.nihon-zeikyouren.or.jp/Details.aspx?BookID=4590

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
 STUDIO TOKYO.COMのHP
 http://studio-tokyo.com/

このコラムに類似したコラム

お宝発見で減額!?~埋蔵文化財包蔵地の評価~ 藤宮 浩 - 不動産コンサルタント(2011/05/20 17:24)

広大地評価 ~その3.安易な適用で受ける痛い代償~ 藤宮 浩 - 不動産コンサルタント(2011/03/25 18:41)

広大地評価 ~その1. 広大地評価とは?~ 藤宮 浩 - 不動産コンサルタント(2011/03/11 11:10)

相続税が還付される主な要因(1) ~土地評価の話~ 藤宮 浩 - 不動産コンサルタント(2011/02/11 15:00)

広大地の評価に当たっての取り扱い【相続税 節税対策】 近江 清秀 - 税理士(2010/11/06 10:54)