手軽に分散投資しようと考えるなら「バランス型(ハイブリット型)ファンド」を検討してみては。
「バランス型ファンド」とは国内外の株式や債券、REIT(不動産投資信託)、さらにはエネルギー・貴金属・穀物などの「コモディティー」といった複数の資産に投資するファンドのこと。値動きの異なる資産を組み合わせてリスクをコントロールして一定の収益をめざすものです。
「バランス型ファンド」の場合1万円程度の資金から手軽に分散投資ができます。
また、株式や債券などは異なる値動きをするのでその配分比率が最初に設定した比率とずれてくることがありますが、「バランス型ファンド」は定期的に最初の配分比率に戻す「リバランス」が行われるため資産管理の負担も小さいといえます。
「バランス型ファンド」のなかにはには株式や債券などに直接投資するのではなく、既存の複数のファンドを組み入れて運用しているファンド(ファンド・オブ・ファンズ)が多くあります。運用会社によって得意分野があることを考えるとパフォーマンスに期待ができるともいえますが、同時に直接購入したファンドにかかる信託報酬のほかに、組み入れられている各ファンドの信託報酬もかかることになり、二重のコスト負担となります。たとえば、「マイストーリー分配型(年6回)Bコース」(野村) の信託報酬は年1.5%。
「バランス型ファンド」はその投資対象の資産や配分比率によりリスクは異なります。運用会社のホームページ、パンフレット、目論見書などで自分の購入しようとするファンドの投資対象や配分比率が自分がとれるリスクの範囲にあっているかしっかり確かめましょう。
また、年齢や余裕資金の増減などにより自分がとれるリスクの範囲も変化します。その変化に応じた設定の見直しも必要です。「バランス型ファンド」は「オールインワン」の商品のためパフォーマンスの悪いところだけ乗り換えるということはできません。
(資産配分の変更を最初から織り込むのなら「スイッチング(乗り換え)」ができるファンドを選ぶのもひとつの方法です。ファンドにより無料でできるもの、新規の購入より低コストなものもあります。たとえば、「野村世界6資産分散投資」は配分比率の異なる「安定コース」、「成長コース」、「分配コース」があり、スイッチングができます。)
「バランス型ファンド」には毎月分配型、隔月分配型が多く、これらは再投資がなく、分配金が支払われるたびに10%の税金が引かれるので運用効率は下がります(分配金を再投資するコースを選択できるファンドもあります)。複利効果を考えた長期の資産運用には適しているとはいえません。
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このコラムの執筆専門家
- 佐々木 保幸
- (京都府 / 税理士)
- 税理士法人 洛 代表
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