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茅野 分
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市原 真二郎
(カイロプラクター)

閲覧数順 2024年04月19日更新

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人事労務担当者必見!メンタルヘルス不全者対応マニュアル(4)

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  1. 心と体・医療健康
  2. 心と体の不調
  3. 疲れやすさ

4・病気の「診断名」をめぐる注意点

 

(1)そもそも「病名」はどうやって決まるのか

 

メンタル不全に陥った人が病院を受診すると「診断書」が発行されますが、そこには様々な「病名」が付けられます。代表的なものとしては、うつ病、うつ状態、躁うつ病(双極性障害)、パニック障害、不安神経症、統合失調症、自律神経失調症などが挙げられます。

このような様々な病名は、一体どのような根拠のもとに下されているのでしょうか。

 

 例えば同じような症状を示す二人に対して、片や「うつ病」という病名が付けられたかと思えば、片や「自律神経失調症」という病名が付けられる場合があります。

またこれとは対照的に、同じ「うつ病」という病名が付けられた二人を比べてみると、症状には共通点があるものの、社内で置かれている状況や、不調となった経緯が明らかに異なる場合もあります。

そういう一見矛盾したような現象は、どういった事情により生じているのでしょうか。

 

(2)同じ症状なのに違う病名、違う症状なのに同じ病名

 

 これは一つには、例えば職場のストレスに起因する心身の不調に陥った人の場合、抑うつ状態など精神面に於ける症状を重視して「うつ病」の診断になるケースもありますし、反対に身体面の症状を重視して「自律神経失調症」の診断になるケースもあり得ます。

 実際に「うつ病」と診断された人であっても、食欲不振や頭痛、腹痛、めまいなど身体面の症状を大なり小なり伴いやすく、もしそれを重視すれば「自律神経失調症」などの病名が付けられる可能性もあります。そのように、何を重視するかによって病名が左右されることがあるのです。

 

一方で、精神科領域の疾患の診断に於いては、病名を付ける際には現れている「症状」のみを重視し、発病に至った経緯や本人の性格傾向などの条件をあまり考慮していない、という事情があります。これは米国精神医学会が作成した「DSM-4」の指針が大きく影響しており、病気の診断をする際には、ある一定の「症状」が、ある一定期間続くことを最も重視しています。

例えば同じ「うつ病」であっても、中高年に多い従来型うつ病と若年者に多い新型うつ病との間には、発症に至る原因や本人の性格傾向、それに取るべき対応に明らかな差異が認められるにも関わらず、表面上の症状には共通点が多いため、同じ「うつ病」の病名が下されてしまうのです。

 

(3)医師や病院側にも複雑な事情

 

さらに、医療側の事情も見逃せません。第一に、診断する医師の「力量」が重要です。精神疾患の急増に伴い、内科医など他科の医師が精神疾患を診察する機会が増えていますが、例えば統合失調症の患者に対して、その部分症状であるうつ状態に目を奪われ、「うつ病」と診断してしまうケースがあります。これは専門の精神科医であれば恐らく防げる誤診です。

次に、医師の頭の中では正確な診断名にたどり着いたとしても、それを直ちに診断書に表記できるとは限りません。例えば、うつ病の疑いが濃厚な場合でも、症状の発生から日が浅い場合には、うつ状態を示し得る他の疾患、すなわち甲状腺機能低下症、パニック障害、統合失調症などの病気を否定できないため、暫定的な病名として「うつ状態」など漠然とした病名が付けられることが少なくありません。最終的な病名が下されるまでには、一定の時間経過と医師による慎重な見極め、それに患者との信頼関係の構築が求められるのです・・(続く)

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