地下工事に関するメモ - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

奥村 召司
株式会社空間設計社 
東京都
建築家

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対象:住宅設計・構造

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地下工事に関するメモ

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計画MEMO
限られた敷地に住宅を計画する際、法規制をクリアしつつ出来るだけ床面積を確保しようとすると地下利用という方法に行き着きます。その際、計画段階で考えておくべきこともあります。1)地下階はRC造となるので地上が木造であっても全体としてかなりの重量となります。そのため杭や地盤改良と言った附帯費用が大きくなることがあり得ます。2)地下にトイレや洗面、浴室を持ってくるとその排水経路に困ります。道路の埋設排水管より低くなるため自然勾配による排水が出来ない訳です。勿論、ポンプアップすれば良いのですが、住宅規模でそこまでするのかと疑問を持ちます。トイレにポンプアップ機能を持たせた設備機器もありますがそれも特殊設備の部類です。出来ればプランニングの段階で水回りが地下に来ないよう考慮すべきでしょう。3)地下の工事は工事自体が大変です。根伐り工事のためには周りの土が崩れないよう山留めというプロセスが必要ですがこれがまた大変。例えば3M分掘り下げるには、その2倍の6M程度の長さの鉄骨を周囲に打ち込む必要があります。また掘削土砂の搬出にどれほどの工事車両が必要となるか・・。つまり敷地条件によっては大変難しいことになります。4)前述した生活排水以外に、ドライエリアに吹き込んだ(大雨の時には流れ込んだ!)雨水の処理も問題です。雨水や湧き水の処理用ポンプを常設するのが定石ですが、もっと簡易化する場合、非常時には大型ポンプをどこかから(どこから?)持ってきて対応できるようにだけするケースもあります。私はそれでは不安なので、先ほどの山留め工事の際、その機械を使って一本余分に浸透枡(細い井戸のようなもの)を掘って貰いそこに雨水を流し浸透させるようしています。お金のかからない工夫ですね。写真は現在施工中の現場です。完全な地下階は施工が難しい敷地条件なので半地下のような感じの地下階とした例です。それでもこの深さ!