- 田川 耕
- フードビジネスコンサルタントオフィス シナプス 代表
- 東京都
- 飲食店コンサルタント
対象:飲食店経営
- 平岡 美香
- (マーケティングプランナー)
皆さまのお店でも、安心な食材、美味しい食材などなどと、こだわりを持って仕入れされていることと思いますが、そのこだわりがキチンとお客さまに伝わっているでしょうか?
今日は、先日伺った「三亀」というお店のこだわりをちょっとご紹介いたします。
ご存知の方も多いとは思いますが、「三亀」はミシュランにも掲載された名店であります。夜だとワタシの財布ではちょっと・・・ という高級割烹店なのですが、ランチは比較的リーズナブルということで、伺って参りました。
刺身・焼物・煮物が用意されていて、それから2種を選ぶと1950円、3種全部だと2950円。いずれも、ごはん・味噌汁・香物・フルーツ付きと言うものであります。
で、刺身と焼物の2種をいただくことに・・・。
今日の焼物は、なぜか「カレイの煮付け」でありました(笑)が、コレが絶品の美味しさであります。
真子を抱いたカレイ。上質なものでありますから身は小さめに切られていますが、その味付けはご飯が美味しくいただけるモノ。
そのごはんはツヤツヤで甘さがあって至極のモノ。
それだけでも美味しくいただくことが出来るほどでありますが、味噌汁と一緒にいただくとおかずはいらない位。
で、その味噌汁。
ネギと一緒に入れられた茗荷の香りがアクセントになっています。この香りが印象深く忘れられない味なのであります。
もちろん、ごはんや汁のお替りもOKであります。ランチはお腹を満たすことが出来なければ価値が無いですからね。
ココまでは、名店だし、それなりのお値段を頂戴しているし・・・ 当たり前でしょ!って思われる方も多いとは思います。
が、驚くのは最後のフルーツ。
なんと“みかん”が1つ、小さなお皿にコロンと乗せられて提供されたのです。
この店格にして、みかんが一つ???
と不思議そうな顔をしたワタシに気が付いたからなのでしょうか、旦那さんが声を掛けてくれました。
「ウチのみかんは和歌山産なんですよ。みかんには皮と身の間に空気が入っているものがありますけど、それは、みかんの生育にとって暑すぎるからで、その暑さを緩和するために空洞を作るのだそうで、逆に寒いと皮が厚くなって美味しくないんですよ。和歌山と言っても広くて、南に面した山肌で育ったものもあれば、そうでないものも・・・。ですからウチは生産者まで指定しているんですよ。」
どうですか?
ただ和歌山産と言うだけでは、安心・安全と言ったことはクリアするでしょうが、その美味しさまでもを伝えることは出来ませんよね。
こうして、なぜその食材にこだわるのか?と言った理由を明確にしてこそ、お客さまに美味しさを伝えることが出来るのであります。
お客さまに「やっぱりここは違う」と、リピートして欲しいのであれば、ココをお客さまにアピールすることに取り組むべきであります。高級なものではなくて、ちょっとしたモノでも、その美味しさを伝えることで、わざわざのお客さまを獲得できることでしょう。
このコラムに類似したコラム
「外食レストラン新聞」連載 (39) サンプル紙プレゼント 平岡 美香 - マーケティングプランナー(2015/01/11 12:54)
「外食レストラン新聞」連載 (37) サンプル紙プレゼント 平岡 美香 - マーケティングプランナー(2014/11/08 16:57)
「外食レストラン新聞」連載 (36) サンプル紙プレゼント 平岡 美香 - マーケティングプランナー(2014/10/08 14:49)
「外食レストラン新聞」連載 (35) サンプル紙プレゼント 平岡 美香 - マーケティングプランナー(2014/09/13 13:42)
「ラーメン新聞」(14) サンプル紙プレゼント 平岡 美香 - マーケティングプランナー(2014/06/11 22:33)