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対象:心と体の不調

茅野 分
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(精神科医(精神保健指定医、精神科専門医))
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市原 真二郎
(カイロプラクター)

閲覧数順 2024年04月19日更新

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がんばろう東北!災害時に心身の健康を維持・向上する方法(4)

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  1. 心と体・医療健康
  2. 心と体の不調
  3. 疲れやすさ

(続き)・・次に寒くて窮屈な避難所に於いては、ストレスの蓄積なども相まって、高血圧や糖尿病など慢性疾患の悪化や、脳卒中や心筋梗塞などといった血管系の深刻な病気を発症する人が後を絶ちません。医療機関も被害を受けて医師も薬も足りないような状況では、いざという時にも迅速かつ充分な診療を受けられるとは限りません。従ってある程度は自己責任のもとで病気の予防や健康維持をしていかなければなりませんが、このような時に限って病気が誘発されやすくなります。それでは一体どうすれば良いのでしょうか。

 

それと関連しますが、被災地でよく発症する病気の一つに肺梗塞、別名「エコノミークラス症候群」があります。これは足や骨盤腔の静脈内で形成された血栓が血流に乗って肺まで運ばれ、肺の動脈を詰まらせて呼吸不全を招く恐ろしい病気で、重症の場合は死に至ります。狭い避難所内や自家用車内で長時間動かずに過ごした結果、血液がドロドロになって血栓が出来やすくなるのです。水分の摂取量が少ない、精神的なストレスが多い、気温が低い、喫煙などの要因がその発症を促すとされています。

 

これら血管系の病気の多発を防ぐための取り組みにはいくつかありますが、前項の風邪の場合と同様に、やはり食事や栄養バランスの工夫がぜひとも必要です。基本的には新鮮な野菜類や果物類を、何らかの形で充分に摂りたいものです。それと伴に充分な「水」の摂取が望まれます。季節や体格にもよりますが、一日に少なくとも1リットル、場合によっては1.5~2リットルくらいは飲みたいところです。お茶でもある程度は水の代用になりますが、濃いお茶やコーヒーは利尿作用が強いために脱水を招きやすく、注意が必要です。

 

次に、体を芯から温めることが大切です。人体は自動車と同様に、温度が下がると不完全燃焼を起こしやすくなり、結果的に血管系の疾患を発症しやすくなります。とはいえ暖房も充分でない避難所で、どのようにして身体を温めればよいのでしょうか。もし入浴する機会があれば、ゆっくり「半身浴」で下半身を中心に温めましょう。入浴できない場合には、洗面器にお湯を張って「足湯」をすれば意外と温まってきます。足さえ充分に温めれば、たとえ気温が低くとも何とか耐えられるものです。また腹巻で腹部を保温することも効果があります。

 

「マッサージ」にも一定の効能が期待されます。特に足裏やふくらはぎのマッサージは有効です。足は第2の心臓といわれ、足の血管を刺激することで血流が良くなり、血栓の形成を抑制できます。また足裏は人体で最もツボの数が多い場所で、上手に刺激すれば健康上さまざまな利点があります。マッサージは浮腫みや下肢静脈瘤の予防にもなります。また同様に肩もみや手のマッサージにも一定の効能があります。家族間で、またお隣同士でマッサージをし合えば、この上ない心の交流になるのではないでしょうか。

 

さらに避難所に於いても「運動」がお勧めです。被災し落ち込んでいるのに運動なんて、と思うかも知れませんが、ストレス発散にも運動は最適です。適度な運動によって、足や全身の血管が伸び縮みし、柔軟性が向上します。また血流が良くなって血栓が出来にくくなります。また運動によって体力や機敏性が向上するため、被災地の足場の悪い危険な場所でも、転倒などによる怪我をある程度防止できます。うまく運動すれば、腰痛や肩凝りの予防にもなり、不便な避難所生活を少しでも快適に過ごせるようになります。

 

とはいえ狭い避難所やその周辺で、どのような運動をすれば良いのでしょうか。たいていスポーツ施設は閉鎖中でプールも使えません。それに無理して急に運動を始めると、かえって怪我や体調不良の原因となってしまいます。そこでラジオ体操やストレッチ、ヨガなどの比較的楽な運動から始めることをお勧めします。慣れてきたら周囲を歩いてみると良いでしょう。外へ出て歩くことで気持ちも前向きになり、有効なアイデアも湧いてきます。何より一緒に体を動かす仲間が出来れば、生活再建への意欲と支えを得ることができるのです・・(続く)

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