瓦屋根に登る日々 - 新築住宅・注文住宅 - 専門家プロファイル

吉田 武志
有限会社 ヨシダクラフト 代表取締役社長
栃木県
建築家

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対象:住宅設計・構造

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瓦屋根に登る日々

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今回の震災により、屋根瓦が落下してしまったお宅の屋根に登り

雨の進入や更なる落下を避ける為

シートを掛けるという、応急処置をしています。



落下しているお宅の共通点は、屋根の棟の粘土と漆喰が劣化していることです。

古いお宅でも、棟(屋根のてっぺん部分)の粘土と漆喰のリフォームがしてあれば

屋根瓦は無事なお宅が殆どです。

しかし、築年数が浅い建物でも、棟瓦の段数が高く、揺れの大きな地域では

瓦が崩れています。劣化していなくても、棟瓦が高いと、揺れの状況により

崩れることはあるようです。



ただ、不思議なことに、弊社事務所のある宇都宮市の中心市街地は

古い瓦屋根のお宅も多くあり、棟の漆喰や粘土も劣化していると考えられますが、

瓦の崩れているお宅は殆どないようです。揺れの少ない地域だったのかもしれません。



震災のあった地域の瓦業者は、落下したお宅の数が多すぎて、

すぐに施工が出来ない状況。その為の応急処置です。

応急処置をしたお宅は、なるべく早めに瓦の補修工事をしたいと思っていますが、

施工できる日がいつになるか。今現在は分からない状況です。

また、応急処置として、防水シートを土嚢袋や木材で抑えていても、

昨日の自転車にも乗れないような強風が吹くとシートがめくれてしまうお宅もありました。

弱り目に祟り目ですが、自分の出来ることをやるしかありません。



瓦の応急処置をしていて、落下して死亡した方もいらっしゃるようです。

梯子で屋根の上に登り、命綱も掛けられない状況のお宅が多いので、

足を滑らせたり、強風により落下する危険があります。

普段は外部足場の無い中で屋根に登ることなど殆どありません。

私は、高所恐怖症なので、足が震える状況の日々です。

落下しないことを祈りながら屋根に登り、自分のできる安全確認をして

出来ることをやるしかありません。


リフォーム リノベーション 栃木県宇都宮市 ヨシダクラフト
注文住宅 栃木県宇都宮市 ヨシダクラフト 


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