分離発注にも実際には様々なスタイルがあるのですが、私が行う分離発注方式について少しご説明したいと思います。
まず施工業者さんは「分離発注方式」で施工することを理解し、この体制に協力できることが基本条件になります。
私は、本来の設計監理業務と平行して分離発注する業者さんのコーディネートからスケジュール管理、コスト管理、資材の発注や納品確認などを行います。 通常、設計事務所では資材の発注などは行ないませんので、このような業務はCM業務(分離発注業務)を担当できる事務所に限られるかもしれません。
現場では、核になる工務店さんを中心に(工務店さんには現場監督の役割もお願いします)、電気工事、給排水設備工事、左官工事、建具工事、家具工事、床暖房工事、資材など、各専門工事ごとにその現場の内容に応じて分離し、すべての施工業者さんは施主との直接契約で施工を担当します。 すべての業者さんが元請けになるわけです。 専門工事は、自ら施工を担当する会社や職人さんに直接依頼することが、コスト削減につながる分離発注のコツになります。
現場では定期的(1週間、10日に1回など)なミーティングを開催し、そこには可能なかぎり施主の方にも参加いただき、工事の進行状況や業者間の連絡、質問、問題などあればその解決をする場となります。 施主の方が参加することで、工事途中の状況把握や、各業者さんとのコミュニケーションも計れ、このことが工事の透明性と信頼にもつながり、コスト削減のほか分離発注方式の施工体制のメリットの一つといえます。
(次回につづく)
このコラムの執筆専門家
- 酒井 正人
- (東京都 / 建築家)
- サカイデザインネットワーク有限会社 取締役社長
住む人の手が触れる場所から、建物へ、街へと心地良さを拡げたい
設計手法・デザインの発想は「内側から外側へ」・・・建物という器だけをつくるのではなく、私達が暮らす場である生活空間の細部から生活環境全体のデザインを追求し「心地よさ」をご提案しています。
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