『「手軽」ではなく「上質」な保険のススメ』 - 保険選び - 専門家プロファイル

高津 嘉邦
代表取締役
兵庫県
保険アドバイザー

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『「手軽」ではなく「上質」な保険のススメ』

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昨今の日本の消費は、超のつく程の高級品か、破格といわれる激安商品か、という消費傾向が強まっており、「上質」か「手軽」に二極化しているといわれています。
こうした流れを受けてだけではないと思いますが、保険業界も最近は圧倒的に「手軽」な保険に傾いています。

保険においての「手軽」とは、「安い保険料で大きな保障を買う」ということです。CMやチラシなどでも、インターネットで直接加入すると、今までに比べ大幅に安い保険料で加入…等という強調された言葉をよく目にします。ですが、ここで考えていただきたいことが2つあります。

1つは、1,000円や2,000円の保険料で1,000万や2,000万の保障、という価値観が「成り立ってしまっている」という事実です。
裏を返せば、実際に保障が支払われることはほとんどないということであり、多くの人が毎月1,000円や2,000円を無駄にしている、ということです。

現に保険業界では、いわゆる「掛け捨て」の商品はどんどん開発され安くなっていますが、内容の良い「積み立て」の終身保険は開発されておらず、販売停止も増えてきています。

保険会社が設立された際も、最初から終身保険が発売されることは、収益性の関係上まずありません。
まずは収益率の高い掛け捨ての定期保険や医療保険を発売しよう、となるのです。

そういった観点から考えると、「手軽」な保険は、実は保険会社の都合で作られた商品でしかない、と捉えることができるでしょう。

もう1つは、保険会社の財務基盤が脆弱になるリスクがあるということです。

適正な保険料の保障であれば問題ありませんが、競争が激化し価格競争に陥ると、保険会社のその先に待っているのは、競争の体力を失ってしまった企業の「倒産」です。
もちろん、倒産すると万が一のことがあっても保障は支払われません。

多くの人が、「ちゃんと保障が支払われる」と誤った認識をしており、加入するだけで安心していますが、
保険商品を選ぶ際、もっとも大切なことは、入り口の「保険料」以上に、出口の「支払い」がしっかりと行われる、ということです。
何十年後に「ちゃんと保障が支払われる」ためには、健全な経営状態を継続することができるかを見極めなければなりません。

以上の2点を踏まえると、保険という商品に対して、安易に「手軽」に流れてしまうのではなく、
じっくりと時間をかけ、人生にとって「上質」な保険とは何かということを、落ち着いて考えてみることが大切でしょう。

※「美楽」(2010年10月号)に執筆したもの

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