自動車事故 交渉2
バイクで直進走行中に、車線変更してきた無免許、無保険車のAさんと接触し、弊社事務所の契約者Bさんが骨折をし入院をした事案を今抱えています。
通常ならAさんの保険会社が、何から何まで手続きをし、Bさんは治療に専念すればいい事案ですが、Aさんは無保険です。
困りました。
まずBさんの入院費をAさんに払わせるために会いに行きました。
やはり、お金がまったくありません。逃げられたら困るので、自賠責保険の請求の手伝いをするということでAさんに接触を試みました。
Aさんはどうしていいかわからず悩んでいましたが、自賠責保険の加害者請求(賠償金を全額AがBに払って後で自賠責保険に請求する)をするにも立て替える財源もなく、ほったらかしにされました。
したがってBさんが立て替えて退院をしました。
Bさんは弁護士を使いAさんに損害賠償請求の訴訟提起をしました。裁判の日取りも決まり、裁判所で待てど、Aさんが現れることはありませんでした。
当然Bさんは訴訟により、Aさんから309万円の損害賠償請求権を取得しました。しかしながらAさんはもともとお金がない訳ですから、訴訟により損害賠償請求権を取得してもまるで意味がありません。次の手段はさらに弁護士を使ってAさんの収入を差し押さえる強制執行をすることになります。
ところがここで問題が再度発生。
Aさんの収入源がどこにあるか?を調査することが必要になるわけです。弁護士いわく「収入源のありかを探るのは弁護士の仕事ではなく、探偵の仕事です。それを突き止めてから再度ご相談ください。」という話になりました。
Aさんは裁判所の出頭要請も無視するほどの人間です。当然被害者Bさんの電話も、Bさんに弁護士の電話も出る訳がありません。そうなると、僕が動くしかありません。
加害者Aさんを探しだしうまく接触することができました。
加害者Aさんは現在刑事事件の関係で検事に呼び出され50万円の罰金を科せられかけている最中でした。前科もあり拘留される可能性もありました。
Bさんとしては刑事処分の罰金50万円を払うくらいなら、その金額を賠償金に充当していただきたいところです。
拘留されてはかなわないので
加害者Aさんと5時間面談の末、「刑事処分がゆるくなるか不明だが、できる限りのことをしてあげる」ということを条件に加害者Aさんに連帯保証人Cさんをつけ、さらにその場で20万円の賠償金をBさんの弁護士口座にすぐ振り込ませ、念書を取り付けることに成功しました。
Cさんにはそこそこの所得があるのでこの時点で、Bさんは賠償金を入手できることができる段取りがとれました。
現在Aさんには国選弁護士がついています。
先日Aさんの国選弁護人から「いまのままではAさんは拘留されてしまうので何とか示談をしたい」という申し入れの電話が僕宛にきました。電話の内容は「分割で支払っていくので、その条件を飲んでいただき示談を交したい」ということでした。
そんな示談はBさんの弁護士が納得しません。せっかく一括で賠償できる権利を取得したのに、分割支払で示談をしたらBさんがこまるからです。
この時点で、Aさん及びAさんの国選弁護士、Aさんの収入源を突き止めることができないBさんの弁護士にイラつき新たな手を考えました。
Aさんに仕事を与えることです。Aさんは既存建物塗装工事業者さんだったので、請負金額1000万円の仕事を紹介しました。この仕事の請負契約をBさんへの賠償金を差し引いて請け負うという書面を公正証書化し、契約をすれば万事OKになります。
この事案まだ解決していません。あと少しです。ここまでやるのが保険代理店の仕事とは思えませんがこれをうまく成立させれば、AさんもBさんも安泰です。Aさんの国選弁護士およびBさんの弁護士も楽チンに事件を解決できます。万事がうまくいきます。
あと少し!頑張ります。
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ファイナンシャルプランナー 森 和彦
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