エコって何だろう? - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

杉浦 繁
Atelier繁建築設計事務所 代表
愛知県
建築家

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対象:住宅設計・構造

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エコって何だろう?

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世はECO時代・・
エコブームです。
ただ、ちょっと思うのですが・・


そのエコというのはいったい誰のためのエコなのか?
ということで・・


ひねくれた性格の私などから見ると、どうも企業様や官僚様達のためのECOに見えてしょうがない。
そう思いません?


いったいオール電化がエコだなんて誰が決めたんだろう?

ガスを電気に変えるとなんでエコなのか、どうにもわからない。
いえ、決してオール電化がよくないといっているのではない、ガスにはガスの電気には電気の良さも悪さもあるのです。
けど、結局その電気は原子力でしか今の世の中まかないようがないのです。
二酸化炭素は確かに減るでしょうがそのかわりに大量の核廃棄物が出まくっています。
日本では一日に60tもの核廃棄物が出ているのだそうで・・
その最終処分場は日本はおろか世界のどこにも今だないというのに・・


充電型の電池というのも流行っています。

あれがエコ?
ご立派にエコ何とかって名前までエコです。
あれも充電ようは電気・・つまり原子力。
確かに今までの電池のように物として捨てる必要はないのですが・・
でも言ってみれば電池というのはそのものが小さな発電所みたいなものです。
その日本中の小さな発電所が全て原子力に取って代わるのかと思うと考えるだに恐ろしい。
物として使い捨てるのがもったいないというのなら、エコポイントとかリサイクル券なんてご立派な名前まで付けて十分使える電化製品なんかをどんどん捨てて買い換えさせてる方がよっぽどもったいないんじゃない?
壊れるまで使ってから省電力な商品に買い換えればいいじゃない・・


エコってのは炭酸ガスの量さえ減らせばいいってことじゃないのではないでしょうか?
見方を変えてみると何がいったいエコなのかわからなくなってきます。


何でもこういうのをエコ商法なんて言うんだそうです。
実はエコでも何でもないことをエコってことにしてエコって名前で売れば何でも売れるのだそうで・・
おかしな話です。




そういえば、今ではすっかり定着したあのスーパーなんかのレジ袋。


鞄なり袋なりもって行けばいいことだから別に反対ではないのですが・・
ただ、買い物に行かれる奥さん達はとにかくとして、我々なんかがなんかの拍子にちょっとスーパーで買い物したりすると困ってしまう。

奥さんにちょっと帰りに明日の食パン買ってきて、なんて頼まれたお父さん・・
当然買い物袋なんか持っちゃいませんが、たかが食パン買うだけにレジ袋買うのもしゃくにさわる。
で、たいていはそのまま裸でもっ行く。
すると廻りの奥さんからは刺さるような白い目が・・

あの人泥棒じゃないの?
あの人マイバック持ってないんだわ、非常識!

しまいに出口で警備員に止められます。

これ私が実際にあった話です。
レシート見せろって・・よかったよすぐ捨ててなくて。




そもそも、エコという意味では・・
今言われている炭酸ガスの量を減らそうというのがエコだってんなら、この話しとレジ袋はまったく関係がない。
そんなことはちょっと考えりゃ誰でもわかる。
限りある資源である石油を使うのを減らそうというのならわかるのです。
でもレジ袋を作るのにエネルギーを使うから炭酸ガスが発生するってのはさすがに無理がある。


そんなことくらいでそんなに炭酸ガスが減るのなら世の中にはもっとやめた方がいいことなんてごまんとあると思うのです。


エコってものが示すものが何なのかでまったく話が違ってくるのでは?
もったいないからって言やあいいのに・・

そういえば、レジ袋を減らしてもまったく石油の使用量は変わらなくってかえってゴミが増えるだけって訴えてる学者さんなんかもいらっしゃいますし・・
あってんのかどうかはわかりませんが。


レジ袋なくなって間違いなくスーパーは儲かったと思います。




そういえば、そういったエコ商品ってのは建築にもいっぱいあります。

エコキュートとかエコウィルとかエコカラットとか・・
エコ建材とかエコ材とかエコ壁紙にエコ外壁・・・・
さらにはエコ住宅にエコハウス、エコリフォームなんてのもある。

ここまでいくともう何が何やらさっぱりわからん?

いったいそれらが何なのかはまるでバラバラでようするに各企業なんかが勝手に名づけたただの商品名以外の何者でもない。


ちなみに・・

エコキュートというのはヒートポンプ型電気温水給湯器のことで、今までの電熱型の温水器よりエネルギー効率が良いので使用電気料が半減する商品のこと。
燃焼型給湯器の半分しか炭酸ガスを出さないことを売りにしてエコなんて言ってますが・・
まあ、そのかわりにどこかの発電所で核廃棄物を大量に出しています。
ただ、まだ少しお値段がはりますが、実に良い商品ですあることは間違いありません。

エコウィルというのは家庭用のガスコージェネレーションシステムのことで、ガスで発電をしてその時の余熱を利用して給湯を行うという電力とお湯をいっぺんに効率よく生み出すための商品です。
ただ、これは家庭用のガスでは発電力があまり大きくなくて機器の値段が高いのでまだまだ普及していません。
とはいえ、天然ガスは燃焼の際に炭酸ガスの発生量が少なくエネルギー効率もとても良いので大型の建築などでは昨今はガスによる常時自家発電は当たり前、そのうちに各家庭でもこれが当たり前になるかもしれません。

そんでエコカラットってのはようは調湿建材なのになにがエコ?

エコ住宅なんてのは、どうも自然素材を使ってるってパターン・・
それの何がエコ?
それから上記のようなエコ機器なんかを使っているっていうパターン・・があるようです。

それでエコ建材ってのは遮熱とか断熱とか抗菌とかシックハウス対策とか自然派建材とかの機能を持つ建材のことらしく・・
じゃあ今までにあった遮熱とか断熱材は違うの?
抗菌とか何とかのいったいなにがエコなの?


もう本当によくわからん?



ようするにみーんな名前付ければエコ!
でも、エコって言えばみんなが飛びつく、よくもまあ勝手に名付けたもんじゃい!
何がエコなのか・・
どおゆうエコなのか・・
よく確かめてから使いましょうね。


地球にとってのエコなのか?
あなたの家や家族ににとってのエコなのか?
あなたの懐にとってのエコなのか?
それともその会社にとってのエコなのか?





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