永遠のゼロ - 自己分析・適職診断 - 専門家プロファイル

税所 彰
リソース キャリアコーチ
キャリアカウンセラー

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:キャリアプラン

竹内 和美
竹内 和美
(研修講師)
宇江野 加子
宇江野 加子
(キャリアカウンセラー)
藤原 純衛
藤原 純衛
(転職コンサルタント)
宇江野 加子
(キャリアカウンセラー)

閲覧数順 2024年04月16日更新

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

先の戦争について、体験世代の日本人はなぜか揃って

口を閉ざしました。学校や国もそれぞれの理由から

でしょう、子供たちに戦争について教えることを避けて

きました。

 

「戦争があったの?」「どこと戦ったの?」

真顔で質問する若者が出現するに至っては、悲劇を

通り越してもはや喜劇です。

歴史から学ばない、これは悲しい日本の現実です。

 

一冊の小説が、この状況を変える一条の光を投げ

かけています。

「永遠のゼロ」は、2006年に発表されて以来、徐々に

感動と共感の輪を広げています。

読者の多くは若者を含む戦後世代です。

 

     ◆      ◆      ◆

 

絶望的な戦いのなかで、「生きて家族のもとに帰る」

という約束を果たすため、最後まで生への執念を燃やし

続けた戦闘機乗りの話です。

 

フリーターに甘んじている健太郎は姉と共に、特攻隊

で戦死した祖父のことを調べ始めます。

 

祖父、宮部久蔵はゼロ戦のパイロット。歴戦の勇士でした。

小説は、真珠湾攻撃、ミッドウェイ海戦、ラバウルでの

航空戦、そして沖縄特攻戦、と太平洋戦争の主要な戦い

に参加した宮部の足跡をたどりながら、日本がいかに

あの戦争を戦い、敗れていったかを丁寧に描いて

いきます。

 

最後に、祖父を巡る謎が解き明かされる、この小説の感動

の結末が用意されています。

 

     ◆      ◆      ◆

 世代を越えて戦争を伝える物語が現れた、という感慨を

持ちました。 より多くの若者たちが、小説をきっかけにして

戦争について学ぶことを望みます。

 

まず事実を知ることです。そして考えて欲しいのです。

なぜこんな悲惨な戦いになってしまったのか。

なぜ日本軍は人間を粗末に扱ったのか。

なぜ軍部は独走したのか。

なぜ国民やマスコミはブレーキを掛けられずに流されて

いったのか。

 

歴史は繰り返す、といいます。

歴史から学ぶことは、人間の知恵を信じ、現在と未来を

よりよく生きることに繋がるはずです。

 

それにしても、あの戦争について誰も語ろうとしなかった

のはなぜだろうか。久しく疑問に思っていました。

あれだけの戦死者を出しながら。あれだけ不条理な目に

遭いながら・・・。

 

事実は逆なのでしょう。戦争を体験したひとびとにとって、

口に出して語るには余りにも悲惨な戦争だったから、と

思えます。

 

「永遠のゼロ」百田尚樹著 講談社文庫 

このコラムに類似したコラム

「わかる」って、どういうこと? ヨシダケイスケ - キャリアコンサルタント(2021/06/21 09:00)

【メディア掲載情報】「進学ラボ」に新しいコラムが掲載されました。 齋藤 めぐみ - キャリアカウンセラー(2016/04/01 11:26)

【メディア掲載情報】「進学ラボ」に新しいコラムが掲載されました。 齋藤 めぐみ - キャリアカウンセラー(2016/02/09 00:31)

理想を持つことと現実を認めること 祝 淳一郎 - メンタルヘルス・キャリア コンサルタント(2014/07/14 00:00)

仕事について語り合う父娘 高田 裕子 - キャリアカウンセラー(2013/06/02 07:52)