もしも牛丼の価格競争がゲーム理論だったら - お金の悩み・生活苦 - 専門家プロファイル

新谷 義雄
行政書士しんたに法務事務所 行政書士 1級ファイナンシャル・プランニング技能士
京都府
行政書士

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閲覧数順 2024年04月23日更新

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もしも牛丼の価格競争がゲーム理論だったら

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牛丼の価格競争で、吉野家・ゼンショー・松屋が期間限定240円の牛丼を発売する記事

http://topics.jp.msn.com/economy/topics.aspx?topicId=401

もはや、国民食として牛丼の価格で経済指標ができそうなぐらい身近に感じられる牛丼の価格です。

消費者にしてみれば値下がりして嬉しいのですが、ますますデフレが加速し、企業努力だけでは対処できない事態になりうると言う話です。企業努力の内容も人員整理、店舗整理などのマイナス面も見なければなりませんね。

今回のような250円の牛丼が10円の値下げで240円に決定した企業の意思決定機関も、ゲーム理論をもとに考えれば余程の自分の身を削った結果でしょう。ゲーム理論は合理的な対戦者のいる状況で相手より利益をあげるゲームです。

今回は牛丼の価格の維持・値下げが「侵略」「現状維持」「応戦」でA社・B社の戦争の意思決定だと見る事ができます。たった10円の値下げで、自社の利益が減りますが、他社の店舗のお客様を横取り出来き、結果大きな利益(その地区の競合店舗を撤退に追い込む事もできます)が得られます。

ただし、B社にはA社の「侵略」に対して「現状維持」か「応戦」の選択肢が残されています。「現状維持」の場合はA社に敗れ損失はでますが、深手にはなりません。「応戦」とは今回の場合は「価格競争」に当たりますが、この場合は牛丼の価格が下がり続け、両社に深刻なダメージを与える結果になります。

ゲーム理論での前提条件として「対戦相手も合理的で最大利益を追求し、利己的、誤った判断をしない」と言う高度な駆引きな為に現実化しない場合もあります。

A社が「侵略」の選択肢を選ぶ以前に、B社の取りうる最良の選択肢は「応戦」する声明を発表する事。それによりA社はが侵略」しても損失が拡大する事が確定しますので「現状維持」しかできないのです。

前述の状況はパワーバランスの均衡や、対戦者の高度に利益追求的行動を先読みする事で初めて実現します。ある意味戦争の抑止にも使われる駆引きですが。

以上のゲーム理論的な駆引きをもとに牛丼チェーン各社の行動はどのように感じられたでしょうか?「期間限定」と言うくくりが気になりますね。意思決定機関であるトップはこのような決断を読み続けなければイケないのですね。

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