希望と - 人材育成全般 - 専門家プロファイル

藤澤 優
株式会社わいず 代表取締役
組織コンサルタント

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対象:人材育成

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企業内のリーダーと呼ばれる人たちの研修をさせていただいていて感じるのは、希望を持てない人たちが少なくないということだ。

希望!  夢とは違う、ようだ。
夢はこれからの期待をかたちにする未来への明るい指針であり、
希望とは、虐げられている状況での未来への期待のようなもの、かもしれない。
希望を持て!などと正面切って言うと、昔の青春ドラマのラストシーンのようで、恥ずかしい。
酒の席で愚痴を聞き、希望を持てとは言わない。
愚痴は不平や不満であり、虐げられている状況下ではない場合が多い。
蟹工船のような悲惨さ、企業内での苛めなどがあって初めて、「希望を!」が存在する。そう考えれば、希望を持て!と言うほどの虐げられた環境を被る企業の人たちは、そう多くはないのかもしれない。

ただし、虐げられると感じる重さや視点の相違により、その主観は異なる。
この国には何でもある。ないのは希望だけだ!と言ったのは村上龍。
彼には「希望の国のエクソダス」という小説がある。
読んではいないのだが、イメージが勝手に展開する。


エクソダス<EXODUS>
国外脱出とか大量出国という意味で、本来は旧約聖書にあるイスラエル人のエジプト脱出をいう。戦後、イスラエルを建国するシオニズムをテーマにした映画のタイトルが「エクソダス」、邦題はたしか…「栄光への脱出」であった。
70年代半ば。ボブ・マーリーがジャマイカの政治社会に巻き込まれ重傷を負った。
エクソダスを余儀なくされ、やがて「EXODUS」という曲が生まれる。

ジャマイカには、一時的に彼の希望がなくなったのだろう。いや、希望があったから次のチャンスに期待したのか。映画「クール・ランニング」の世界を見ていると、エクソダスの真実の想像が難しい。
小さい島国の政治闘争に暴力が用いられる。
非暴力を主張する日本人は生ぬるいと海外の血の気の多い民族から批判に晒される。
そりゃあそうだ。湾岸戦争時がいい例えになる。
協力金を一番多額に出したにもかかわらず、兵士や武器を出した国からは、金で解決するエコノミカルな者どもと詰られる。
命を呈して国を引っ張るだけの政治家は、日本だけではなく、確かに今はいまい。
日本では。 じゃあ、誰がやる?
誰がやっても同じ。政党内の数の原理がなせる頭の挿げ替え。
何でもそろう。ないのは希望だけだ。
相変わらず、そういう時代の真っただ中にいるようだ。
しかし、だからといって、希望もなくただ働いて眠るだけの企業人では寂しい。
もちろん苦しい仕事を、時には楽しくできる職場環境や人間環境作りを手助けして、
企業に貢献できる人間になりたいという希望を私は持ち続けたい。

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