- 末松 信吾
- エス・エヌ・ジー デザイン 代表
- 建築家
対象:住宅設計・構造
さて、前回お話した建築物の「構造」という部分は、いったいどうやって、安全性を確信していくのでしょうか?
古い時代には、身の回りにある自然界のスケールや感じ取った「カン」に頼って安全性をなんとなく「これだったら大丈夫だろう」という中で、壁や屋根の素材・形・サイズを決めて作っていたと思われます。(私見ですが・・・^^;)
一昔前までは、大工さんたちの経験値が頼りという時代でした。
ところが近年では、人々が集まり一つの場所で何か活動を行う場合にはそれなりの大きさの屋根や壁が必要になってきました。
更に、使える敷地スペースも狭くなり、重力に反して、空に向かって建築物を作らなければならない時代にもなっています。
そんな現代では、石のように重いコンクリートを屋根や床に使用しています。
とてもじゃありませんが、自然界の例を参考にして、「カン」に頼っている場合じゃありません。
そこで、偉大な先祖たちが、発見し、研究を積み重ねてきた自然現象を数値化する技術を使って、大きな屋根を作っても落ちてこないことを数値計算によって、確認出来るようになってきました。
この自然現象を数値計算して、建築物の安全性を確認出来る技術を構造計算と呼んでいます。
以上のように、建築物における「構造」とは、重力や台風、地震、積雪などの自然現象に対して耐える部分ということが言えます。
具体的に専門用語を使うと柱、梁、壁、基礎というような部分を指します。
イメージするのであれば、棟上げ時の段階までが、建築物の「構造」と考えてもほぼ間違いではないと思います。
コラムを通じて「建築物の構造」を少しでもご理解頂けたら幸いです。
(終わり)
(前編はこちら)
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