弁理士とコミュニケーション能力
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弁理士には、高いレベルの法律知識と高い技術力が必要であると、私が弁理士になる前から言われ続けてきました。
確かに必要ではあるのですが、クライアントから最近よく耳にする、弁理士に対する不満な点を聞くにつけ、なによりも大切なのはコミュニケーション能力ではないのか、と強く感じています。
形だけでなく、活用も考えて知財創出に取り組まれているクライアントであればあるほど、技術者レベルで不満が増えているようです。具体的には、なぜ特許となると取りたい権利内容がネジ曲げられて、本当に欲しい権利が取れないのか、と。
多くの弁理士は、「それは発明者が良くわかってないから」と言います。本当にそうなのでしょうか?百歩譲ってそうだったとしても、わからせることができなかった弁理士の責任を放棄しているようで、そんな暴言、私には決して口にすることはできません。
大切なのは、発明者も含めて、互いに合意した内容で特許を取得すること。そのためにも、弁理士にコミュニケーション能力は必要不可欠なのです。
ただ、多くの弁理士は、何の訓練も受けていません。法律知識、技術力等は実務を通じて修得することも可能でしょうが、コミュニケーション能力については、絶えず修正する機会がない限り、決して上達しません。つまり、ほとんどの弁理士は、コミュニケーションに関して素人である、という事実を皆さんも認識しておく必要がある、ということです。
ですから、皆さんは、弁理士が話している内容がわからなければ、素直に「わかりません」と言ってください。実際、わからないことが多いはずです。そして、わかるまで「わかりません」と伝え続けてください。弁理士にコミュニケーション能力を向上させる第一歩は、案外こんな簡単なことなのかもしれません。
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