- 藤原 純衛
- 誠和株式会社 人財マッチング(採用・転職支援) 担当部長
- 東京都
- 転職コンサルタント
対象:転職・就職
- 新垣 覚
- (転職コンサルタント)
- 新垣 覚
- (転職コンサルタント)
大不況に伴う人員整理で大変な雇用不況におちいっています。
でも本当に残ってほしい人には露骨な退職引きとめが行われています。
テレビドラマみたいに「辞めます」と辞表を出したところ、「ふざけるな!」と大門部長刑事に一喝され、辞表をビリビリ破かれ、慰留されるなんてことを想像する方もいるかもしれません
Business Media 誠:「辞めますカード」に効果はあるか?
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0907/24/news001.html
以下は私が退職交渉を行う方にお渡ししているテンプレートです。
「そのとき」のために参考にしてください。
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** さん、内定おめでとうございます。
これから転職活動のヤマ場「退職交渉」が始まります。
人材不足(人手不足ではない)が叫ばれる今日、リストラの傍ら本当に残っていて欲しい人には強引な引き止めが行なわれています。
そこで円満な退職についてのアドバイスをまとめてみました。
いまの職場で築いた人脈を今後も生かすためにも円満退職を目指したいものです。
退職するというのは、あなたの教育にかかった費用、一人前になるまでの給料、さらには進行中のプロジェクトへの影響などもあり、その会社への損害を与えることになります。
結果として「退職」はそれらの費用や期待を裏切る事になってしまうのですから、誠意をもって謝らなければならず「俺の人生だろ」とサッサと退職してしまうわけにもいきません。
上司に対する誠意同僚に対する誠意、顧客に対する誠意そして会社に対する誠意で対応しましょう。
退職する際に一番重要であり、また緊張する場面は何と言っても辞意を上司に告げるときです。
この切り出すタイミングを誤ればゴタゴタに発展することは必至です。
テレビドラマのように「辞表を叩き付ける」なんて事になったら今までその会社で築き上げたモノをすべてフイにしてしまいます。円満に退社するには辞意表明前の準備も必要です。
(1) 退職の意志は直属上司から(同僚には漏らさない)
同僚に漏らしたために会社側に知れてしまった場合、直属上司のメンツは丸つぶれ、部下に対する管理能力を問われる事にすらなりかねません。
これが元で「何で俺に先に知らせないんだ」と感情的になっては後々までシコリが残りますし、妨害すらされかねません。飽く迄辞意は直属上司に、そして周囲には内密に行ないます。
(2) 退職理由
退職理由で「給料が安い」「経営方針がウンヌン」「上司への批判」などと言った会社を非難するような理由は避けるべきです。
本当の事だとしても感情的な対立は避けられなくなりますから。
もちろん、転職先が決まっていても社名などは口を閉ざすべきでしょう。
いろいろ言いたい事もあるでしょうが、グッとこらえて「自分の夢への一歩」「田舎へ帰る」など個人的な理由を探してみましょう。
(3) 退職時期
また、時期というのも大切な要素です。
法律的には2週間で大丈夫
http://www.roudouhou.biz/roudoukijyunhou/roudoukijyunhou-taishoku-2shuukan.html
とありますが円満退職を目指すならば最低でも1ヵ月前。
2~3ヵ月前であればベターでしょう。
進行中のプロジェクトがあるのにサッサと辞めてしまう事のないように転職先と出社日については内定先および現職で慎重に打ち合わせしておきましょう。
(4) タイミング
切り出すタイミングに朝や夕方の忙しい時間は避けましょう。
「ちょっと待ってくれ、後でユックリ聞こう」とはぐらかされてしまいます。
お昼を誘うとか2時頃の手が空いているときにでも「ちょっと相談が」と切り出してみてはどうでしょうか。
いずれにしても相手の都合を考えて切り出すタイミングをはかりましょう。
くれぐれも「問答無用」と直接辞表を叩き付ける事のないように。
さて、あなたが辞意を告げる直属上司とはどんな方でしょうか。
各々の状況で対応も異なるかと思います。以下の事例を参考にしてみて下さい。
【自分が新人の時から育ててもらった人。よく叱られたけど本当の意味でお世話になった人】
「まあ、ちょっと呑みに行こうや」と誘われるでしょうか。
「いったいどうしたんだ?」と言われたら、理由は今の会社ではできない事を挙げてみてはどうでしょうか。
言い訳はしっかり考えて臨みましょう。
それに対して説教口調で言われるでしょうが、まずは上司の話しをジッと聞いて上げ、反論はせずに右から左へと流すように。
引き際には「すこし考えてみます」みたいなアヤフヤな返事をしておいてその場では彼のプライドを保たせ、数日したら「自分の気持ちは変わりませんでした」とでも切り出してみましょう。
【部長・本部長、そんなに交流もなかったのに、なぜ引き止めるの?】
どの企業でも欲しがるような人材にみすみす辞められてしまうという事は企業にとって大きな損失です。
また進行中のプロジェクトへの対応で頭を悩ます事でしょう。
その混乱は「管理能力欠如」として自分の査定に跳ね返ってくるかもしれません。
あなた自身の身を案じているのではないので勘違いをしないように。
あなたはあなた自身の為に退職交渉をして行きましょう。
【辞意の撤回】
「給与が低いなら上げてやる」
「職種を変えたいなら異動させてやる」
「何なら海外留学に推薦してやる」
あの手この手で引き止め工作がなされるでしょうが、くれぐれも一旦出した辞意は撤回しないように。
「俺は聞かなかった事にする」と言いますが、辞意を告げた事はなぜか必ずバレます。
(既に友人知人に話した後ならばなおさら)
その時に周囲から
「あいつは辞めると言ったら給与があがった」
「あいつは辞めると言って異動させてもらった」
と嫉妬に近いウワサが広がり、既に内定先を辞退した後なのに、在社しにくくなり、今度はアテがないのに退職してしまったというケースもあります。
もう船は岸を離れているのです。
乗り移る船がなければ海に飛び込むことしかできません
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