- 中桐 啓貴
- GAIA株式会社 代表取締役
- 東京都
- ファイナンシャルプランナー
対象:投資相談
- 大山 充
- (シニア・エグゼクティブ・アドバイザー)
- 大山 充
- (シニア・エグゼクティブ・アドバイザー)
投信積立の「ドルコスト平均法」について皆さんはご存知でしょうか。
知らない人も、何回も聞いたよという人も、
切り口を変えておりますので、ご一読いただければ幸いです。
積立投資のメリットの一つに、ドルコスト平均法を活用できることがあります。
ドルコスト平均法とは、毎月3万円など一定金額ずつ購入して買付単価を下げることです。
毎月決まった金額で購入すると、
基準価額(投資信託の価格、1万口あたりいくらで表示される)が高い時は購入口数が少なく、
反対に基準価額が低い時は購入口数が多くなります。
長期投資をする場合、同じ口数(等口数)で買った時に比べて、
同じ金額(等金額)で買う方が、平均買付コストを低く抑える効果が期待できます。
それは一体なぜなのでしょうか、一度簡単に計算してみたいと思います。
今回は下記のように6ヶ月間、投資信託の価格が変動した場合を想定します。
1月10,000円(1万口あたり基準価額)
2月11,200円
3月9,600円
4月8,000円
5月11,000円
6月10,200円
まず、同じ口数で1万口ずつ6回に渡って買い付ける場合です。
同じ口数を毎月買う場合、2月と4月を式にすると
2月:11,200円×10,000口÷10,000口=11,200円(購入金額)
4月:8,000円×10,000口÷10,000口=8,000円(購入金額)
となります。11,200円のものを1万口買うので「掛け算」ということになります。
あたりまえですが、「掛け算」をしているということは、
値段が上がっているときは購入金額も多くなり、逆に下がっているときは減っています。
購入金額は6ヶ月合わせて6万円になるので平均買い付け価額は
60,000円÷60,000口×10,000口=10,000円(合計購入金額)となります。
次に同じ金額で買い続けた場合です。買えた口数を求めることになります。
2月:10,000円÷11,200円×10,000口=8,929口(1万円で買えた口数)
4月:10,000円÷8,000円×10,000口=12,500口(1万円で買えた口数)
これは「割り算」です。この出てきた口数を6ヶ月分合計すると60,740口になるので
60,000円÷60,740口×10,000口=9,878円(平均単価)となります。
私がなぜあえて式にしたかというと、
等口数投資と等金額投資は似ているようで全然違うことをお伝えするためです。
前者は「掛け算」、後者は「割り算」ですので、逆のことをしています。
掛け算は価格の上下に左右されます。つまり相場に振り回されるということです。
逆に割り算は、1万円という枠をつくり、安いときにたくさん買って、
高いときにあまり買わないというルールをつくってくれます。
例えば、みなさんもスーパーで買い物をすると思います。
賢い主婦というのは特売セールのときにまとめ買いしますよね。
ある一定の予算があって、安い日に買って、高い日は見送ります。
逆に毎日同じ量を買っていると、チャンスを逃してしまいます。
これと同じように、等金額投資は自動的にこのルールを用いて、平均買付価額を下げてくれるのです。
その仕組みをドルコスト平均法と言い、今回は6ヶ月の例ですが、
10年以上の長期投資を考えると、大きな差になることは明らかでしょう。
普段は意識しなくても、積立投資はしっかりとルールを守り、
ドルコスト平均法というメリットを享受できるのです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
これからも積立投資の魅力をもっともっと皆さんに伝えていければと思っております。
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