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米国仮出願の拡大先願の地位 (第2回)
~Secret Prior Art~
In re Giacomini, et al.,
河野特許事務所 2010年10月12日 執筆者:弁理士 河野 英仁
(2)出願経過
図1は出願経過を示す説明図である。737出願は2000年11月29日にUSPTOへ特許出願された。審査官は、737出願の先行技術として7,039,683特許(以下、Tran特許という)を挙げた。Tran特許の出願人は、2000年9月25日に仮出願*3(以下、Tran仮出願)を行い、当該仮出願を基礎として2000年12月29日に本出願(以下、Tran本出願)を行った。
審査官は、Tran特許は米国特許法第102条(e)にいう先行技術に該当し、737出願は新規性がないと判断した。原告は、737出願の出願日は、Tran本出願よりも1ヶ月先に出願されており、かつ、仮出願は米国特許法第102条(e)に基づく後願排除効を有さないと主張して審判請求を行った。審判部は審査官の判断を支持する決定をなした*4。原告は審判部の決定を不服としてCAFCへ控訴した。
3.CAFCでの争点
仮出願に基づき付与された特許の後願排除効発生日はいつか?
仮出願についての後願排除効発生日が、仮出願日または本出願日となるかは特許法、特許法規則及び判例上明らかではなかった。
本事件において本出願日が後願排除効発生日であれば、737出願は新規性を有し、逆に後願排除効発生日が仮出願日まで遡るのであれば、737出願は新規性を有しないこととなる。
本事件では仮出願に基づく特許の後願排除効発生日がいつかについて争われた。
(第3回へ続く)
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