9.会社分割の応用可能性
最後に、文字通りのM&A、そして今回取上げたA社リストラ事例のような
(1) 事業再生
目的以外に、中小零細企業が「会社分割」を活用・応用できそうな身近なビジネスシーンをいくつかあげておきましょう。
(2) 新規事業・社内ベンチャー
本体の投資に外部のスポンサーからの出資を合わせ「新規事業」に乗り出すような場合、例えばパートナーシップ型の事業運営に適した LLC(合同会社) を受け皿にするなどし、新規事業プロジェクトを独立運営させる枠組みとして「会社分割」を活用するプランも一考の余地があるでしょう。
[参考]
会社分割の受け皿に「合同会社」(LLC)を使うことはできますが、「有限責任事業組合」(LLP)を使うことはできません。
(3) IPO(株式上場前の子会社対策)
(4) オーナー会社の後継者への「事業承継」
(5) 不祥事発覚時の連鎖的悪影響による経営危機の回避
例えばスーパーなど複数の店舗を展開している事業などは、一店舗の不祥事の悪影響が全社に波及し、たちまち経営危機に追い込まれる事態が考えられます。 そこでこのようなケースを想定し「会社分割」でグループ会社化しておくことでそのリスク回避・軽減を図るものです。
(6) 「偽装請負」の適正化(?)
これはあまり一般的な例とは言えず適用シーンは限られてくると思いますが、理論上「会社分割」の枠組みを使って「偽装請負」の適正化(と言ってよいか疑問ですが…)を図ることも可能と考えられます。
(次に続く)
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