- 常木 清行
- 有限会社常木工務店 代表取締役
- 静岡県
- 工務店
対象:住宅設計・構造
こんにちは。親方・常木です。
●施主さん訪問(その8)
南北に3階建ての家に囲まれた西向きの間口6mの土地に、Yさん邸を建てさせていただきました。お茶を飲みながらのYさんとのおうち談義をご紹介します。
(Yさん)逆に、僕から質問なんですが、家を建てた親方からみて印象的だったことは何ですか?
(親方)こちらの土地は家を建てることを考えてみると、決して条件がいいわけではないですよね。でも、光は燦々と入るし、風通しもいい。ひとつひとつの工夫で、いいものになっていく課程が印象的でしたね。
(Yさん)確かに、外から見た印象と、中に入った感じが全然違うと言われます。
(親方)そうでしょうね。空間の取り方は想像できないと思います。それから、すごく細部までこだわりました。リビングとバルコニーも平らにしてデッキを引いたり。バルコニーも格子をつくって、外部からの見え方にも配慮していますし。車庫の天井に外壁と同じ物を使って奥行きを出したり、真っ黒な外観だったり。そういうことが、バラバラでなく整理されて、モダンな家になりました。
(Yさん)そうそう。大工さんに「どこが一番大変でした?」って聞いたら「リビングの小上がり」って即答されました。「もう、2度とやりたくないくらい」だって(笑)知り合いの大工さんが家に遊びに来た時にも「これやった大工さんは、よーやったなぁ」と言ってました。梁の組み方とか、化粧柱の多さなどに感心してましたよ。
(親方)ありがとうございます。限られた土地の中で、最大限にスペースをとろうとすると、cm単位で考えないと広くならないですから。
(Yさん)確かに、よく見てみると「あ。ここで5cm、こっちで3cm空間稼いでいるなぁ」ってわかりますよね。ドアを使わないで、ほとんどが引き戸にしてもらって、スペースを稼ぎまくってますものね(笑)
(親方)既製品のドアですと、何cmずつか小さくなっていきますからね。今は、建具を造るということが珍しくなってきていますね。
(Yさん)ドアノブ1つまで、みんなでよく考えたなぁと思いますね。
(親方)「家を建てる」課程ではどのようなご感想をもちましたか?
(Yさん)家を建てる時に「施主」って言うじゃないですか。なんで「施主」っていうのかなぁ?って疑問だったんです。施主ってのは、家を建てるプロジェクト・リーダーみたいなものなんですね。家を「買った」というよりも「みんなで建てた」って感じです。だから、僕たち家族の気持ちが入った家になったんだと思います。それに、まぁ・・・・・本当に、親方にはわがまま放題いいました。予算を超えたくないし、技術的な難しさもいろいろあったと思うんです。でも僕たちとしては叶えたいんですよね。「どうすれば実現するか」を親方が一緒に考えてくれて、大工さんたちが頑張ってくれたことが嬉しかったです。ありがとうございました。
(親方)そう、おっしゃっていただいて嬉しいです。こちらこそ、ありがとうございます。これからきちんと定期的にメンテナンスさせていただいて、安心してお住まいいただけるように精一杯頑張ります。
(Yさん)ありがとうございます。これからも、よろしくお願いいたします。
(親方)今日はありがとうございました。
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