- 谷口 哲男
- FP業務部 課長
- ファイナンシャルプランナー
対象:年金・社会保険
今回は、先日の新聞記事に「国民年金納付率60%割れ」とありましたので、
国民年金について書きたいと思います。
記事によりますと、以下のように年齢層別で納付率に差が出ています。
「 55歳 ~ 59歳 → 73.3% 」 これに対して 「 20歳 ~ 24歳 」 → 49.0%
「 50歳 ~ 54歳 → 66.6% 」 「 25歳 ~ 29歳 」 → 47.1%
「 45歳 ~ 49歳 → 62.3% 」 「 30歳 ~ 34歳 」 → 51.7%
「 40歳 ~ 44歳 → 57.7% 」 「 35歳 ~ 39歳 」 → 56.5%
これだけみても若年層への信用度は薄らいでいます。
では、「国民年金を払うことで一体いくらもらえるのか」ご存知でしょうか?
国民年金は、最低25年加入義務がありますので、25年加入したとしますと、495,062円です。
(40年加入の場合は、792,100円です。)
では、逆にいくら保険料を支払うのでしょうか?今の保険料は、年間175,920円です。
この保険料は、毎年増える予定で、最大で202,800円になります。(物価の上昇
次第でこれ以上になる可能性もあります。)よって、仮に年間の保険料を20万円として
25年掛けると、掛け金総額は、500万円になります。
つまり、単純に考えると、掛け金500万円÷年間受取額49.5万円=約10年
65歳から10年間もらうとトントンになります。この結果をご覧になり、みなさまはどのよ
うにお感じになられましたでしょうか?
また、国民年金の掛け金は、所得税を算出する上での控除対象になりますので、
その所得税軽減分を勘案すると実際の負担は少なくなります。
さらに、国民年金加入者のみ加入できる国民年金基金や確定拠出年金、付加年金
など上乗せ制度を活用すると、所得税を軽減できながら、将来の年金額を増やすこと
が可能になります。国を信用するしないはありますが、表面的な所だけでなく、トータル
的に考えてみると、有利になられる方も多いと思います。
国民年金に入る、入らないは別にして、まず、どのような制度なのかを知ることは大
切に思います。国民年金については、意外と知られていないメリットもあります。
次回は、国民年金の意外と知られていないメリットについてお伝えします。
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