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対象:特許・商標・著作権
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Bilski最高裁判決を受けたUSPTO内部インストラクション発表される
〜方法クレームに対する保護適格性判断〜(第6回)
河野特許事務所 2010年8月30日 執筆者:弁理士 河野 英仁
3.特許適格性の判断
(1)審査官の対応
審査官は以上述べた各判断要素を用いて
(i)方法が「一般的概念」・「概念の組み合わせ」をカバーすることにより抽象的なアイデアをクレームしているか否か、または、
(ii)方法が、概念の特定の実用的応用に限定しているか否か
を決定する。
審査官は、ある一つの判断要素が存在、または、存在しないことをもって保護適格性を有しないと判断すべきではなく、他の判断要素をも考慮し、クレーム全体として判断する。
審査官は、上述した判断要素により、方法クレームが単に抽象的なアイデアをカバーするものではないと判断した場合、当該クレームは米国特許法第101条による保護適格性を有し、
重複特許(米国特許法第101条)、
新規性(米国特許法第102条)、
非自明性(米国特許法第103条)、及び
記載要件(米国特許法第112条)等の他の要件を判断する。
審査官は、上述した判断要素により方法クレームが抽象的なアイデアをカバーすると判断した場合、米国特許法第101条の規定に基づき、クレームを拒絶すると共に、審査官が一応の非保護適格性を確立すべく、抽象的なアイデアがクレームされているという当該決定をサポートする論理的根拠を提示しなければならない。
審査官による結論は全体として証拠に基づかなければならず、拒絶または登録を認める際、審査官は当該決定の根拠となる判断要素を指摘しなければならない。
(2)出願人の対応
抽象的なアイデアをクレームしていることを理由に、米国特許法第101条の規定により拒絶された場合、出願人は、クレームされた方法が抽象的なアイデアでないとの反論機会を有する。
ここで、出願人が、クレームが抽象的なアイデアを記載しているという審査官の決定が誤りであると反論する場合、当該分析に使用された判断要素を特定して反論することができる。
(第7回へ続く)
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