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Bilski最高裁判決を受けたUSPTO内部インストラクション発表される
〜方法クレームに対する保護適格性判断〜(第5回)
河野特許事務所 2010年8月27日 執筆者:弁理士 河野 英仁
D.一般的な「概念(concept)」(原則、理論、計画またはスキーム等)が、方法の各ステップを実行する際に含まれているか否かを考慮する。
一般的な概念が存在する場合、当該クレームは抽象的なアイデアと判断される契機となる。
一般的な概念が存在する場合、以下の要素を考慮する。
(1)方法において表現されている概念の使用範囲が、他分野において当該概念の使用を先取り(preempt)しているか否かを考慮する。すなわち、当該クレームが事実上概念を支配し独占を認めることになるか否かを考慮する。
(2)クレームの抽象度、公知・非公知の当該概念の使用を一掃(sweep)するかの程度を考慮する。また当該クレームが、既存または将来開発される機械によって、または、如何なる装置をも用いることなく実行されるかの程度を考慮する。
(3)クレームが特定の問題に対する全ての可能性ある解法を事実上カバーする範囲を考慮する。
(4)概念が実体のないものであるか否かを判断する。また概念が例示化されているか否かを判断する。
すなわち、何らかの実現可能な方法で実行されるか否かを考慮する。
注意:抽象的なアイデアをある分野に限定し、あるいは、名目上「解法後の要素(post solution component)」を付加したとしても、当該概念が保護適格性を有するものではないことに注意すべきである。概念が十分に例示化されている場合、保護適格性を有するとの判断が肯定化される。
(5)方法のステップが実行されるメカニズムを考慮すべきである。
例えばプロセスのパフォーマンスが、主観的でなく・感知不能でなく、観測でき、かつ、検証できるものか否かを考慮する。ステップが観測でき、かつ、検証できる場合、保護適格性を有するとの判断が肯定化される。
(6)一般的な概念の例は以下のとおりであるが、これに限るものではない。
基本的な経済プラクティス、経済理論(例えばヘッジング、保険、金融取引、マーケティング)
(i) 基本的法理論(例えば、契約、紛争解決、法規則)
(ii)数学上の概念(例えば、アルゴリズム、空間的関係、幾何学)
(iii)心理的活動(判断形成、所見、評価、または意見)
(iv)個人間のふれあい・関係(例えば、交際、デート)
(v)指導概念(例えば、暗記、復唱)
(vi) 人間活動(例えば、運動、服の着方、規則または指示に従うこと)
(vii)Biski事件の如く、どのようにビジネスを実行するかの指示
(第6回へ続く)
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