USPTO内部インストラクション発表される(第3回) - 特許 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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USPTO内部インストラクション発表される(第3回)

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Bilski最高裁判決を受けたUSPTO内部インストラクション発表される 

      〜方法クレームに対する保護適格性判断〜(第3回) 
   
河野特許事務所 2010年8月20日 執筆者:弁理士  河野 英仁

                

B.クレームされた方法の実行により、特定の物(article)に対する変換がもたらされるか、または生じるか否か?

変換を生じる場合、抽象的なアイデアである可能性が低いと判断される。

変換を生じない場合、抽象的なアイデアである可能性が高いと判断される。

 変換が生じた場合、以下の要素を考慮する。

(1) 変換の特殊性または一般性を考慮する。

 より特殊な変換ほど保護適格性を有するとの判断が肯定化される。

(2) 言及された「物」の特殊性を考慮すべきである。

 すなわち、特別に「物」を特定できるか否かを考慮する(ありとあらゆる物ではない)。一般的に言及された「物」に対する変換である場合、保護適格性を有するとの判断は否定されることとなる。

(3)状態・物の変化の種類または範囲に鑑み変換の性質を考慮すべきである。

 例えば異なる機能・効用を有する場合、保護適格性を有するとの判断が肯定化される。

 これに対し、単に異なる配置とするにすぎない場合、保護適格性を有するとの判断は否定される。

(4)変換される物の性質を考慮すべきである。

 すなわち、物の性質が物体(object)または物質(substance)である場合、保護適格性を有するとの判断が肯定化される。

 一方、その性質が、契約上の義務または心理的な判断等の概念である場合、保護適格性を有するとの判断は否定される。

(5)変換の関与が、余分な解決動作(extra-solution activity)または使用分野(field of use)であるか否かを考慮する。

 すなわち、変換がクレームされた方法の実行に対し意味のある限定を加えている程度考慮すべきである。

 クレームされた方法の実行に対して単に名目的または意味なく寄与するにすぎない変換である場合、保護適格性を有するとの判断は否定される。例えば、変換の関与が、発明の構成要件の内、発明のポイントでないデータ収集ステップにおける場合、または、変換の関与が使用分野の限定にすぎない場合である。

                                                      (第4回へ続く)

 

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