アクセス解析の重要な視点

環の小坂です。

久々のコラム更新です。

アクセス解析の重要な視点についての話です。

アクセス解析を行う上で見落としがちですが、重要な視点に下記３つがあります。

１．目標・成果達成のためにアクセス解析を行う。
２．施策と連動させてアクセス解析を行う。
３．全体を捉えてアクセス解析を行う。

１．はよく会計に例えて話しますが、会計で言う「売上」「経費」「利益」をきちんと
捉えてアクセス解析を行うかということです。
よくセミナーでも話す内容ですが、今回は割愛します。

２．は実行した仮説・施策と実際の結果がどう関連性があるのかを
アクセス解析で検証していくということです。
これもよくセミナーで話す内容ですが、今回は割愛します。

３つ目。
これが結構漏れがちです。

会計に例えると、最終的なアウトプットは貸借対照表・損益計算書・原価計算書などです。
膨大な仕訳データがあり、決算書でも色々な書類を作りますし、
有価証券報告書にも色々なデータや解説を掲載しますが、
最終的には財務３表に集約されます。

この財務３表にあたるものを意識せずにアクセス解析を実施する人が多いです。

経理の仕事が仕訳だけではなく、会計から色々なことを判断し、施策に活かすことであるように、
（実際には仕訳しかやらない事務屋のような人が多いのは会計業界もそうなのですが。。。。）
アクセス解析を行う人は「仕訳屋」ではだめです。

最終的にどのようなことを判断し、提案や報告するのかを予め想定し、
そのフォーマットを頭の中に描きながらアクセス解析の作業や改善提案を行うことが大切です。

これを行わない企業のアクセス解析担当者が多いですし、
アクセス解析のコンサルタントや制作会社のレポート作成者ですら
「ただのレポート作成屋」になっている人が多いです。
（私も時々これに陥るので自省もあります。。。。）

セミナーでもそのようなレベルしか行わないものもありますし、
最近は書籍でもそのような本が増えてきました。
（昔に比べてアクセス解析書籍のレベルが下がっている印象があるのですが、どうでしょう。
　細かいテクニックは増えていますが、体系的なものは数年前の本が優れています。
　ＩＴ業界は古い本は駄目という考えが多いようですが、アクセス解析についてはそうでもないと思います。）

しかし、大切なのはＰＤＣＡを回す上で、「最終イメージ」を共有して
日ごろの施策立案やアクセス解析を行うこと。
それに必要な設定を行うこと、ＫＰＩを設定すること、スケジュールをたてること、
予算を組むこと、実際の解析作業を行うこと、改善提案をすること、
関係者で情報共有を行うことです。

そのトレーニングとしては
・コンサルを行う場合は、関係者の教育も含めて行うこと。
　（レポートよりも教育の方が重要）
・セミナー・講義を行う場合は、実践的な内容を行うこと。
　（演習やディスカッション、復習を行うことが重要）
が必要だと思っています。

そういう観点から今年に入り、ＪＳＭＦ（日本売れる仕組みづくり一般財団法人）の「アクセスログ１級」や
ＪＷＤＡの「WEB解析コンサルタント」の講師やカリキュラム作成などに関わっていますが、
短時間で実践力をつけることを目的に行っていこうと思っています。

ＷＥＢ解析コンサルタント認定講座：http://www.web-mining.jp/semminer/?allabout